ハプスブルク 記憶と場所 の商品レビュー
ウィーンにブタペスト、プラハとヴェネチア、トリエステの5都市について、 その背景になるところを、いろいろと述べている。 光よりもむしろ各都市の影になる部分に焦点をあてていて、 普通の観光紙では読めないような内容にもなっている。 その分、歴史的背景をある程度読者が持っていると 良く...
ウィーンにブタペスト、プラハとヴェネチア、トリエステの5都市について、 その背景になるところを、いろいろと述べている。 光よりもむしろ各都市の影になる部分に焦点をあてていて、 普通の観光紙では読めないような内容にもなっている。 その分、歴史的背景をある程度読者が持っていると 良くわかって面白いと思う。 ただ、文章が哲学っぽくて、すっきりとは頭に入ってこず、 ザーッと読み通すだけで精一杯な感じだった。
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ヴィーン、プラハ、ヴェネチア、ブダペスト、そしてトリエステという、ハプスブルク家の神聖ローマ帝国やオーストリア=ハンガリー帝国に、あるいはその中心人物にゆかりのあった都市の記憶を、著者の博覧強記を存分に生かして縦横に浮かび上がらせた好著。やや焦点が定まらないきらいがあるが、これ...
ヴィーン、プラハ、ヴェネチア、ブダペスト、そしてトリエステという、ハプスブルク家の神聖ローマ帝国やオーストリア=ハンガリー帝国に、あるいはその中心人物にゆかりのあった都市の記憶を、著者の博覧強記を存分に生かして縦横に浮かび上がらせた好著。やや焦点が定まらないきらいがあるが、これらの都市について書かれている個々の内容はきわめて興味深い。個人的には、プラハとブダペストの章を面白く読んだ。「都市観相学の試み」との副題が付けられているが、その対象となるのはほとんど「死相」と言ってよい都市の顔貌であり、ベンヤミンがパリについて述べたように、それが「冥府」を宿していることが浮き彫りになっている。
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