魔地図 の商品レビュー
書き下ろしホラーアン…
書き下ろしホラーアンソロジー、異形コレクションの第32弾。普通の地図には載っていない、異世界へつながる道が記されている「魔地図」をテーマにした短篇集。
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井上雅彦さんなどの豪…
井上雅彦さんなどの豪華作家が集結したホラーアンソロジー。怖さはなかなかのもの。
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ホラー。短編種。アンソロジー。 テーマは"地図"。 地図はあくまで物語のパーツの一つといった感じで、いろいろなタイプの作品があった印象。 そのなかで、平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」が異様な存在感を放つ。☆3.5。 以下、印象的な作品。 梶尾真...
ホラー。短編種。アンソロジー。 テーマは"地図"。 地図はあくまで物語のパーツの一つといった感じで、いろいろなタイプの作品があった印象。 そのなかで、平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」が異様な存在感を放つ。☆3.5。 以下、印象的な作品。 梶尾真治「その路地を曲がって」 ノスタルジックな家族の物語。SFぽさもあり、僅かに怖さもある、不思議な作品。読後感良い。 大槻ケンヂ「モモの愛が綿いっぱい」 キュートなSFホラー。この作者は何作品か読んだが、非常に独特の世界観がある。ゲーセン店長の存在感! 平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」 既読。地図の一人称という異様な設定。この作品でしか味わえないような奇妙な感覚。傑作です。 坂本一馬「ひろがる」 シンプルな作品だが、選評通り、上手い。 多岐亡羊「わたしのまちのかわいいねこすぽっと」 マンガやライトノベルのような雰囲気。決して好きなジャンルではないが、約25ページの短さで内容が濃い。ゆるいタイトルから、途中で怖さを感じる瞬間のギャップが良い。
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・路環島の冒険(林巧) 少年と海賊と地図の物語。 宝島とかよりはむしろピーターパンという印象。 結末に対してしっかり伏線があるところが良かった。 ・応仁黄泉圖(朝松健) 作者の室町伝奇もの。 応仁の乱の時代、京都を迷路のように走る『構』という巨大な堀があったというのを初めて知っ...
・路環島の冒険(林巧) 少年と海賊と地図の物語。 宝島とかよりはむしろピーターパンという印象。 結末に対してしっかり伏線があるところが良かった。 ・応仁黄泉圖(朝松健) 作者の室町伝奇もの。 応仁の乱の時代、京都を迷路のように走る『構』という巨大な堀があったというのを初めて知った。 戦火のなか逃亡する様はまさしく地獄めぐりのようで異様な迫力。 ・イスタンブール(ノット・コンスタンティノープル)(高野史緒) 映画のようにイスタンブールを巡っていく描写と会話が小気味良い。 ・その路地へ曲がって(梶野真治) 作者の特色と北野勇作の作品や三丁目の夕日のような、ノスタルジックな世界観に浸れる。 ・猫ヲ探ス(森真沙子) 内田百閒の猫にまつわる物語。 ・幻燈街再訪(植草昌実) カリガリ博士、東洋キネマ。 愛と情熱を昇華した作品。 下地がある読者の方が楽しめそう。 ・皮膚(松本楽志) 皮膚に刻まれた傷が地図になる。 小説だからこその想像力で展開されるボーイミーツガール。 ・モモの愛が綿いっぱい(大槻ケンヂ) 語り手が絶望し自殺しようというところから始まるのに、全く暗さを感じさせないセリフと描写で物語は進行する。 モモとの会話はもちろん、周囲との関わりもおかしくて何よりも愛おしい。 ・いつか、僕は(牧野修) 子どもの頃から『僕』の前に現れてきた二人組の怪物。 妄想や狂気。いつか何かが起きるのかも知れないという不安。 ・大帝国の大いなる地図(ダーヴィデ・マーナ〈訳:マッシモ・スマレ) 帝国のジオラマのような巨大な地図が、現実よりも優先されるという風刺のような幻想小説。 ・独白するユニバーサル横メルカトル(平山夢明) 単行本で読んだのが随分と前だったので新鮮に読めた。 でもこのタイトルだけは忘れられない。 紳士口調の地図の一人称という(おそらく)空前絶後な作品。 動物や物を擬人化することによって、人からの感情移入を自然なものとする効果を期待できるが、 本作は忠義心と親切心溢れていて好印象の語り手のキャラクタも相まい、最後で一気に突き放される。 発想とプロットの上手さ、両方が優れた作品。 ・迷界図(石神茉莉) 呪いの品を扱うお店とそのお客。 ・コガラシとニゲヒメ(斎藤肇) オンラインRPGでモンスターアバターの二人組が自動生成されるエリアのマッピングを行うという、今だったら(もうそこまで今ってわけでもないかも)、ネット小説やラノベでお馴染みの、MMORPG空間。 RPGと地図は最初期から切り離しようがないつながりを持っていて、自分としても非常に興味深い題材。 この題材から絶対新しい何かが生まれると思うんだけど、どこかにあるのか? ・ナウマンの地図 Mappa Mundi(物集高音) ナウマンの地図に印された世界の臍への冒険譚。 ・探検家の書斎(井上雅彦) イメージとしては高橋葉介作品に非常に近い。 この探検家の在り方は小説家のひとつの理想なのだと思う。 ・旅立ちて 風(田中文雄) 老人ホームにいる叔母と「わたし」の物語。 ・残された地図(菊地秀行) 残される理由が何とも希望がない。 ・ひろがる(坂本一馬) 地図看板を題材にした丁寧なホラー短編。 ・わたしのまちのかわいいねこすぽっと(多岐亡羊) 先に『幻想探偵』に収録された同作者の作品を読んだときに惹きつけられるような独特な魅力を感じたが、本作も同様。 リリカルさと残酷さの反転。
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このシリーズ4冊目、他に4冊積読中。文章が読みづらい(内容が突飛なせいもある)イコール話が面白くない作品も多々あり。
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つまらなそうなテーマの割に面白いものがあったな。と言っても初っ端の幾つかは大して面白くないけど。 「幻燈街再訪」「独白するユニバーサル横メルカトル」「ナウマンの地図」が図抜けてよかった。 今回の公募作品は2つとも凡作止まり。
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このミスで話題となった『独白するユニバーサル横メルカトル』が収録されているというだけで一読の価値あり。大槻ケンヂの作品は彼の異形作品の中で一番と思う。
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やはり最優秀賞は違うなあ。タイトルからして、「わたしのまちのかわいいねこすぽっと」って……とんでもなくポップでラブリーなのに、なぜか戦慄も感じるぞ。このセンスは真似できない。 でも一番お気に入りの一編は、特別賞である「ひろがる」かな。たしかにオーソドックスだし、ラストの見当もつく...
やはり最優秀賞は違うなあ。タイトルからして、「わたしのまちのかわいいねこすぽっと」って……とんでもなくポップでラブリーなのに、なぜか戦慄も感じるぞ。このセンスは真似できない。 でも一番お気に入りの一編は、特別賞である「ひろがる」かな。たしかにオーソドックスだし、ラストの見当もつくんだけど。巧い、としかいいようがない。伏線が見事だし。ひたすら羨望。
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