オルタード・カーボン の商品レビュー
人間の肉体は単なる洋服と同じスリーブと呼ばれる着せ替え自由な世界に・・・頭にメモリースタック(どうしても想像はメモリースティックになるのだけど)。こんな発想どっから出るのかと関心しまくりのサイバーパンク・ハードボイルド傑作!!絶対読め!
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27世紀。 人間の精神はすべてデジタル化されている。 そのため、精神の転送やコピーは容易で、肉体も自由自在にまとうことが可能だ。 権力者はそれによって不老不死を保ち、犯罪者は肉体を奪われ保管刑となる。 元特殊部隊員のタケシ・コヴァッチは犯罪常習者。 保管刑になっていたところを地球...
27世紀。 人間の精神はすべてデジタル化されている。 そのため、精神の転送やコピーは容易で、肉体も自由自在にまとうことが可能だ。 権力者はそれによって不老不死を保ち、犯罪者は肉体を奪われ保管刑となる。 元特殊部隊員のタケシ・コヴァッチは犯罪常習者。 保管刑になっていたところを地球の大富豪バンクロフトに呼び出される。 彼の以前の体は家の中で頭を吹き飛ばされた姿で発見されていた。 警察は自殺と断定したが、バンクロフトは自分が自殺するはずがないし、 そもそも、精神のバックアップが取ってあるのだから、意味がないと言う。 それを知らないものによって殺されたに違いないと考えていた。 そこでコヴァッチに真相を調べてほしいと依頼してきたのだ。 しかし、彼の前には女刑事、殺し屋、今まとっている体に恨みを持つらしい連中、バンクロフトの妻、昔の上官が次々と現れる。 はたして、バンクロフトの死の真相は? 未来の設定がみっしり書き込まれていて、設定好きにはたまらない。 精神がデジタル化されるのが当たり前の世界で、どのようなことが起きるのか、 と言うのが色々と出てきて、そのアイデアに満足。 この主人公、コヴァッチがカッコイイ。 決して善人ではないけれど、信念と真実のためには決して負けることなく、 敵に立ち向かっていく。 昔ながらのタフな探偵キャラなんだけど、その身につけているものは体も含めてすべてハイテク。 この体を自由に取り替えることができるのがポイントで、 ロマンスや別れが、再び同じ姿で出会うこともないため、今までのハードボイルドにはありえない情感がある。 作者のリチャード・モーガンはこれが処女作。 元大学講師で、日本人留学生にも教えていたことがあるそうで、 やたらと日本文化なものが出てくる。鬼子母神とか。 個人的にはオススメなんだけど、 上下セット売りってのが、ちょっとね。
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ハードボイルドだ。しかも超上出来のハードボイルドだ。いけてます。主人公の生き方や性格がこの未来の世界だからこそなのだと思わせるほど創り上げられた世界観に浸れるって最高。SFってこうでなくっちゃね。
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SFとしては読むポイントなしかなあ。どんな駄目ハ−ドボイルド小説でも楽しめる自分的にはこれでOKだけど、ちょっと本体の値段が高すぎるかなあ。
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2003年度フィリップ・K・ディック賞受賞作ということで、書店にBOXセット2冊組厚さ15cmのド迫力で平積みされていました。装丁も非常にサイバー好き心をそそるデザインなかなか感じがヨロしい。 設定は27世紀、人間の精神のデジタルデーター化が実現し、身体という入れ物さえあれば自...
2003年度フィリップ・K・ディック賞受賞作ということで、書店にBOXセット2冊組厚さ15cmのド迫力で平積みされていました。装丁も非常にサイバー好き心をそそるデザインなかなか感じがヨロしい。 設定は27世紀、人間の精神のデジタルデーター化が実現し、身体という入れ物さえあれば自在にダウンロード・アップロード可能となった時代。精神の星間転送が可能になっているため、人類の生活圏は太陽系外まで広がっている。AIが人間並みの権利を許され、金持ちは身体を衣服のように入れ替えるだけで不死が実現した社会。 物語は生真面目なほどにハードボイルドな体裁を保ちつつ、主人公はその高度に発展した世界のなかでも、人間として普遍的な困難と葛藤しながら事件に取り組んで行く。そう、此れは27世紀を舞台にした探偵小説である。 この作品が面白いのは、意識がデジタルデーター化され、死するも技術により克服されつつある世界の中の、その世界に生きる人間の意識状態を記述する事に作者が丁寧に取り組んでいる事だ。死すら真の死ではなく、メモリーカードさえ回収されれば、別の体の中で次の生が実現する。その間の意識は?死の瞬間の体験・記憶は?個人のアイデンティティーとは?バーチャルとリアルの区別さえ既に崩壊しつつある世界の中で生の意味とは一体何なのか?というテーマがハードボイルドタッチの独白の中で主人公により語られてゆく。それに加えドラッグによる意識変容や、未来のセックス、サイバーパンク的なギミックの数々(主人公は日系人)など、ふんだんな材料を破綻無く作中に生かせている手腕も、なかなかなものではないか。読了まで作中の世界にズッポリハマらせてくれる事請け合いの、エンンターテインメント作品です。 実際にこの本を読んで感じるのは日本のアニメの多大なる影響。というより、攻殻機動隊にメチャクチャ影響受けてるじゃないかと。ギミック世界観、全く一緒??不死の概念は攻殻の義体そのものだし、ハードボイルド調の展開までクリソツ。この本を読んで逆に攻殻機動隊(TVシリーズ)にの偉大さに改めて感じ入った次第。
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