塩一トンの読書 の商品レビュー
タイトルに惹かれて読んだ。さわやかな読後感。 人間理解のヒントがたくさんあった。塩一トン舐めたらこうなるのだろうか。
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教養があるとはこういう人のことを言うのだろうと思えるような文章。私には少し難解で、こんなに高尚な本の読み方はまだまだ出来ていないけれど、読書で得られる喜びや感動は共感できる。 もっともっとたくさんの本を深く読み込みたいなあと思った。
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学生時代に試験問題で遭遇し、とても印象に残っていました。あまりに印象深くて、試験の問題用紙を取っていたぐらいです。それから数年後、図書館の棚で発見し読みました。
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私には初めての作者のエッセイ集読了。須賀敦子さんはすでに71の若さで他界されているけど清々しい本でした。上智大学の教授をされ、日本文学の翻訳紹介も数多くされている方。ここに紹介されている本は知らないものが多いけど読んでみたくなりますね。とても参考になる良いエッセイ集でした。読んだ...
私には初めての作者のエッセイ集読了。須賀敦子さんはすでに71の若さで他界されているけど清々しい本でした。上智大学の教授をされ、日本文学の翻訳紹介も数多くされている方。ここに紹介されている本は知らないものが多いけど読んでみたくなりますね。とても参考になる良いエッセイ集でした。読んだ甲斐がありました、ブクログで紹介してくださった方ありがとうございます。
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書評集。美しい言葉、言い回し、思いもよらない着眼点など、教養が深いってこういうことなんだな、と改めて思う。本と、塩一トンの長い付き合いを続けたら、この境地に達するのだろうか…。 この中で、なるほど!と思ったのは、「ものがたり」と「小説」の違いについて。私が好きなのは、ものがたりな...
書評集。美しい言葉、言い回し、思いもよらない着眼点など、教養が深いってこういうことなんだな、と改めて思う。本と、塩一トンの長い付き合いを続けたら、この境地に達するのだろうか…。 この中で、なるほど!と思ったのは、「ものがたり」と「小説」の違いについて。私が好きなのは、ものがたりなんだな。波乱万丈のストーリー重視の作品よりも、日常のディテールが積み重ねられて語られている作品に惹かれる。 須賀敦子さんの文章は、まさにこれだと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こんなひと、わたしは今まで会ったことがない。それなのに、このひとの本を読むたびにとても懐かしくて、行ったことのないその人のもとへ帰りたくてたまらなくなる。夢中になってすぐに読み終わってしまうのに、読後はさびしい。本がなければ出会えなかったかもしれないこの人は、出会って1年足らずだが、私にとってかけがえのないひとの一人だ。 タイトルの「塩一トン」とは、塩一トンを舐めつくせるくらい長い時を共にしなければ、相手のことを理解することはできないという著者の義母の言葉から。著者は、多くの本との付き合いを、控えめな筆致でそっと語る。書評集、なのだろうが、筆者の繊細な感性で語られるそれらのことばたちは、それ自体で作品と言いたいほど美しい。 中に出てくる本はすべて読みたいのだけれど、特にAlice B toklasの'Cook Book'は、絶対に読もうと思った。著者の翻訳も素敵なので抜粋する。 ”「ある日、ピカソがうちの昼食にくるということで、私は彼をたのしませようと、とくべつのデコレーションでサカナを飾った。シマのある見事なバスを一尾えらび、それを、まったくお料理の経験をもたない、めったに自分の家の台所にはいったこともなく、それでもお料理について他のさまざまな事柄同様、はてしない意見の持ち主だった祖母に教わった方法で料理した。彼女によると、水の中で暮しつづけたサカナは、つかまった時点から、ゆめゆめ、その中で生まれ育った水にもういちど触れさせてはならない、というのだった。焼くか、ワインかクリームあるいはバタで蒸し煮にするのが最上。そう彼女は言っていた」 こんな調子で、たえず脱線しながら、アリスのレシピはつづく。香草をいれた白ワイン煮のバスは、マヨネーズとゆでたまごの裏漉しとトリュフと香草で色彩あざやかに飾りつけられる。 「わが大作が食卓にはこばれたとき、私は大いばり、ピカソは綺麗だと言って感嘆してくれた。だけど、と彼は言った。ぼくより、マチスをもてなすためのほうが、似合いそうだな、と」 この本を東横線のなかで読んでいたら、となりにすわった若いアメリカ人が、ぼくもその本、だいすきです、と言って、名刺などくれてしまった。” (59頁-60頁) 読後に初出一覧を見てみたら、読売や朝日に掲載された文章が多くて驚いた。こんなにすてきなことばが、新聞に載っていたなんて、信じられない。
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題名が物凄く良いなぁと感じて読む。これは著者のイタリアの姑が語った言葉を元に着想されたもので、半分は贈りものな言葉。このエピソードは、序文のような形で冒頭に、他の章よりも上下数字空けた体裁をとっていて、情感いや増しぐっと心を掴まれる。 同じ著者の書評エッセーは前に読んだことがあ...
題名が物凄く良いなぁと感じて読む。これは著者のイタリアの姑が語った言葉を元に着想されたもので、半分は贈りものな言葉。このエピソードは、序文のような形で冒頭に、他の章よりも上下数字空けた体裁をとっていて、情感いや増しぐっと心を掴まれる。 同じ著者の書評エッセーは前に読んだことがあるけど、その時は知ってる本も少なくて共感できる所がなくてつまんないなぁと思ったが、今回は同様に紹介されているのは読んだことのない本ばかりでも、すごく発見や共感があった。襞が開かれたのかな、と思った。
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本についての話ばかりだと思っていたが、私の好きなフェリーニ、タヴィアーニなどの映画の話や、エッセイなども含まれていた。全集を底本として再編された本らしいので、須賀敦子さんを初めて読む私には、雰囲気を知ることができてうってつけだった。 優しく平易な言葉でありながら、広さをより広く...
本についての話ばかりだと思っていたが、私の好きなフェリーニ、タヴィアーニなどの映画の話や、エッセイなども含まれていた。全集を底本として再編された本らしいので、須賀敦子さんを初めて読む私には、雰囲気を知ることができてうってつけだった。 優しく平易な言葉でありながら、広さをより広く、深さをより深遠に感じさせてくれる美しい語り口が魅力的。 「イングリッシュペイシェント」はすごく好きな映画だったのだが、須賀さんの書評を読んだら原作(「イギリス人の患者」マイケル・オンダーチェ)を読んでみたくなった。 彼女の映画評をもっと読んでみたい。
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「ひとりの人を理解するまでには、すくなくとも、一トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ」「本、とくに古典とのつきあいは、人間どうしの関係に似ているかもしれない」2010/4
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高い学識をもち、深い思索と、優しい眼差しで、流麗な表現と緻密な文章構成を生んだ作家の基礎となった、読書経験を追体験できる。
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