藤森照信の原・現代住宅再見(2) の商品レビュー
TOTO通信の連載まとめ本の第二巻。 住まわれている住宅の写真がいいのがこの本のいいところ。 村上徹の「岡山福富の家」に住みこなしている施主が凄い。モダニズムの空間を生かしたまま生活をするのは本当に大変だよなあ。
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1970年代から90年代の住宅建築。 自閉・内向の時代から、その反転へと変遷する住宅の流れを追う。 ○虚白庵|白井晟一|1970 「洞窟性」「象徴性」「素材感」 いずれも戦後のモダニズムの表現とは別の方向を向いている。 ◎かんのぼっくす|宮脇檀|1971 打放しコンクリートと...
1970年代から90年代の住宅建築。 自閉・内向の時代から、その反転へと変遷する住宅の流れを追う。 ○虚白庵|白井晟一|1970 「洞窟性」「象徴性」「素材感」 いずれも戦後のモダニズムの表現とは別の方向を向いている。 ◎かんのぼっくす|宮脇檀|1971 打放しコンクリートと木の取り合わせ。レーモンド→吉村→宮脇とつながる造形的遺伝子。中も打放しにしなかったのはおそらく打放しの荒々しさが室内向きでないと拒んだため。 1階レベルから少し上がり、家の中心に位置する食堂コーナー。角度を45度振って張り出している。このコーナーがこの家の生活の中心、小宇宙の中心だった。 ○中銀カプセルタワービル|黒川紀章|1972 ○反住器|毛綱毅曠|1972 家具的な一番小さな箱、居間にあたる中間の箱、外観をつくる一番大きな箱の三重入れ子。大地の上に人がいるのではなく、宙空に人がいて、そのまわりを殻が取り巻く。真言密教の曼荼羅の宇宙像、胎蔵界を根拠にして生まれた構成だとか。 ○Y邸|磯崎新|1975 磯崎さんの人間的でないスケール感。住宅作品でもやはりガランドウ感、超住宅的スケール感のようなものがある。 ◎黒の回帰|伊東豊雄|1975 黒い外界の中に光の充満する卵のような自閉空間が浮かんでいるような。閉じても閉じても割れ目から侵入してくる外部。「黒である。この都市の表徴はもはやどのように壁をめぐらしても、ただちに内に回帰してしまう。」 ○斜めの家|渡邊洋治|1976 ○伊東邸|渡辺豊和|1978 ◎ギャラリーのある家|林雅子|1983 開放的なピロティ空間の延長ともいえる1階を中心に、2階には洞窟的な居住空間、半地下には庭に向かって開くギャラリー。住宅を敷地の内、壁の内に閉じず、社会に向かって開く。 ○伊豆の風呂小屋|隈研吾|1988 ○夏水の家|上原一|1990 ○岡山福富の家|村上徹|1991 ◎S|青木淳|1996 ◎世田谷村|石山修|2001 自閉から解放へと転じる現代。石山さんは、あきたからだと言う。設計の最初のイメージが、地面を描き、地面を掘り込んで、お皿のようなかたちを描いて、建物の基礎をこういう形にしたいと思ったそう。建物より先に、地面、大地に関心を持っていた。”建築は斜面の力で生きる”ー石山さん ”建築を実物大模型と別たらしめているのは地面との関係である”ー藤森さん
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建築史家藤森照信が現代住宅を訪ね歩く。 日本建築史を創ってきた住宅に改めて訪れた藤森の小話。 スラスラあっという間に読み終えます。 藤森さんの本だから間違いなく面白い。
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TOTO通信の連載記事を集めたものです〜。 TOTO通信の連載から生まれた本はたくさん・・・ 色々な住宅に出会えます。住宅好きさんにはたまらない1冊
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