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2016/02/05

第1期クリントン政権下で行われた通信産業の改革を巡る政治的な紆余曲折を,当時連邦通信委員会の委員長を務めたハント氏が自伝的に綴ったもの.政権側はゴア副大統領を中心に,インターネットが雇用創出・経済発展をもたらす可能性に注目し,所謂情報スーパーハイウェイ構想を打ち出した.一方,イン...

第1期クリントン政権下で行われた通信産業の改革を巡る政治的な紆余曲折を,当時連邦通信委員会の委員長を務めたハント氏が自伝的に綴ったもの.政権側はゴア副大統領を中心に,インターネットが雇用創出・経済発展をもたらす可能性に注目し,所謂情報スーパーハイウェイ構想を打ち出した.一方,インターネット普及に不可欠な情報インフラの整備において障害となったのが,独占状態を維持し既得権益を守ろうとする,従前の通信政策であった.そこで政権側はそうした政策を抜本的に改め,新規参入の余地を拡げて,企業間の健全な競争を促進することで,国全体の通信インフラ強化・拡充を図ると共に,それによって生み出される新たな富を教育分野に還元することを目論んだ.しかし実際には,大企業や業界団体と結びついたロビイストや共和党系の議員・委員による激しい抵抗を受けることとなった. アメリカの通信産業に関する予備知識無しでは,何を言っているのかよく分からない部分も多く(訳にも多少問題があると思う),読むのに大分時間を要したが,特に共和党やベル系の各社,テレビ放送業界と改革側の対立,また一連の改革の中で新興のIT企業や,エンターテイメント業界が果たした役割について知ることができた.

Posted byブクログ