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2009/10/04

ハンセン病(本書ではらい病)に対する国が行った施策に対する怒りが渦巻いている小説である。 山小屋に住んでいる「らい病」にかかった人々。 「らい病」に対する国の施策が「正常」であれば、こんな山小屋に住むこともなかっただろう。 それでも、明るく生きているように見える、熊、文と...

ハンセン病(本書ではらい病)に対する国が行った施策に対する怒りが渦巻いている小説である。 山小屋に住んでいる「らい病」にかかった人々。 「らい病」に対する国の施策が「正常」であれば、こんな山小屋に住むこともなかっただろう。 それでも、明るく生きているように見える、熊、文といった登場人物には心を打たれる。 その生き様は、強い。 いや、脆い点もあろう。 だからこそ、神に祈るのだ。 「1パーセントの神を信じる」 名言だと思う。 この小説で衝撃的なのは、序盤、家族のために自殺する「らい病」者である。 らい病である自分が存在するがために、家族が犠牲になるのを阻止する。 差別さえなければ 国の施策が正常であれば そんなことは起こらなかっただろう。 「らい予防法」 この法律が平成まで残っていたというのに驚く。 どうか様々な差別が緩和されていく社会であることを祈る。 2008年02月12日読了

Posted byブクログ