聖女の遺骨求む(1) の商品レビュー
教会の権威を高めるた…
教会の権威を高めるために、寒村の教会に残された聖女の遺骨を引き取るためだった。ところが拙速に進めようとする修道士達と、村人達は一触即発の状態。反対派の急先鋒で地主のリシャートが殺害されて…。
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12世紀頃のイングランドの修道院が舞台のミステリー。元十字軍兵士で薬草の知識が豊富な修道士カドフェルが遭遇した事件を解決に導く。 第1巻では若くして亡くなった聖女の遺骨を保管する村から引き取り、修道院の権威を高めようと考えた副院長の拙速な行動にふりまわされる修道士たちや怒る村人た...
12世紀頃のイングランドの修道院が舞台のミステリー。元十字軍兵士で薬草の知識が豊富な修道士カドフェルが遭遇した事件を解決に導く。 第1巻では若くして亡くなった聖女の遺骨を保管する村から引き取り、修道院の権威を高めようと考えた副院長の拙速な行動にふりまわされる修道士たちや怒る村人たちの入り乱れる中で事件が・・という展開。 大学時代に西洋史の先生が「12世紀ルネサンス」の頃の空気感を知るのにとても良いということで授業中に薦められた。まずはテレビシリーズのDVDを、続けて小説を読んだが本当に面白かった。キリスト教の信徒たちの「聖遺物」に対する畏敬の気持ちがこの本を読むと良くわかる気がする。また、この時代の王統をめぐる激しい争いがシリーズ全体の背景として巧みに描かれている。 どうも絶版になっているようで、残念。
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つい青池保子さんの漫画のビジュアルが重なってしまうのです。「ファルコ」の兄弟オドから、最近では「ケルン市警オド」のカイ修道士が頭から離れません。薬草に詳しいし、好奇心旺盛だし、過去は謎だし… ドラマにもなっているそうですが、私としては、青池さんによるコミカライズがいいなあ。
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初のカドフェルシリーズ!最近は薔薇の名前を読むために少しでもキリスト教を理解しようと宗教ミステリを読んでいる。カドフェルシリーズは宗教ミステリではないけれど、舞台が修道院ということで読んでみた。 想像してたよりも読みやすくておもしろかった。カドフェルの、冴えない?おじさんなのに温...
初のカドフェルシリーズ!最近は薔薇の名前を読むために少しでもキリスト教を理解しようと宗教ミステリを読んでいる。カドフェルシリーズは宗教ミステリではないけれど、舞台が修道院ということで読んでみた。 想像してたよりも読みやすくておもしろかった。カドフェルの、冴えない?おじさんなのに温かみがあり冷静沈着で頼りがいのある感じがとても好ましい。 今回は聖女の遺骨を修道院に移すため、副院長一行がグウィネズの村を訪れる。反対していた村の主が何者かに殺され発見される。 村の人たちの素朴で温かな感じと、副院長たちの傲慢な嫌らしさの対比がおもしろい。
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フィデルマ修道女を読んでいたせいか、 修道士の世界にすんなり入れた。 7世紀のアイルランドと12世紀のイングランドと、 時代も国も違うが。 といっても、フィデルマの方では、 アイルランド教会とローマ教会、 キリスト教と既存の宗教の軋轢がある時代背景もあったが、 まあ、王の娘であ...
フィデルマ修道女を読んでいたせいか、 修道士の世界にすんなり入れた。 7世紀のアイルランドと12世紀のイングランドと、 時代も国も違うが。 といっても、フィデルマの方では、 アイルランド教会とローマ教会、 キリスト教と既存の宗教の軋轢がある時代背景もあったが、 まあ、王の娘であり上級弁護士という主人公のキャラクターもあって、 多少ぴりぴりしたものがあったが、 こちらは、十字軍に参加し女性遍歴もある五十代の主人公で、 余裕というか、ユーモラスな雰囲気さえある。 聖女の遺骨を手に入れて修道会を盛り上げようとする 姑息な計画の途中で、殺人事件が起きる。 言語の異なる若いカップルと、 修道士と侍女の恋模様も助けて、 事件を解決するカドフェル。 結局、逃亡することになった若い修道士が いい味を出していて良かった。
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時は12世紀のイングランド。ウィリアム征服王の孫マティルダとスティーヴンが王権を争っていた時代、かつて十字軍の兵士だった修道士カドフェルが活躍するミステリーです。 高名なシリーズですが好みが分かれる内容だと思うので、いきなり全巻大人買いはせずに、まずは1〜2巻試し読みすることをお...
時は12世紀のイングランド。ウィリアム征服王の孫マティルダとスティーヴンが王権を争っていた時代、かつて十字軍の兵士だった修道士カドフェルが活躍するミステリーです。 高名なシリーズですが好みが分かれる内容だと思うので、いきなり全巻大人買いはせずに、まずは1〜2巻試し読みすることをお薦めします。この時代の英国史に興味がある方や、修道院モノがお好きな方には良いかもしれません。
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気になっていたけど、読んでなかったカドフェルシリーズ。 有栖川先生が、どこかのエッセイで薦めていたので これを機会に読んでみました。 うんうん、人物がおもしろいよね~。 しかし、私には、久々の海外ミステリだったので、人物名がすぐに頭に入らず、混乱してしまいましたよ。 次もよんで...
気になっていたけど、読んでなかったカドフェルシリーズ。 有栖川先生が、どこかのエッセイで薦めていたので これを機会に読んでみました。 うんうん、人物がおもしろいよね~。 しかし、私には、久々の海外ミステリだったので、人物名がすぐに頭に入らず、混乱してしまいましたよ。 次もよんでみよーっと。
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「折れた竜骨(米澤穂信)」のあとがき&解説から、すぐさま影響されて借りてきた。12世紀イングランド(とウェールズ)のミステリ。重々しいかと思いきや、「経験豊富で今は隠居なおじさまが色々解決してくれる話」だった。さらっと読めるし、カドフェルいいおじさまだし、これはこれで好き!
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12世紀イングランドを舞台とした連作ミステリ。主人公のカドフェルは、兵士や船員だった経歴を持つ、一風変わった修道士。経験豊富な彼だからこその優しい眼差しが、殺伐としがちな事件を穏やかな物語に仕立て上げてくれる。中世ヨーロッパの雰囲気を、隅々まで堪能できるのも素敵。
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ケン・フォレットの『大聖堂』と同時代の12世紀イングランドを描いた作品。時代背景が非常にわかりやすく、登場人物たちも現代の人々のような感覚で行動してくれるので、物語に入り込みやすい。世間ずれした優しい元十字軍兵士・カドフェルも魅力的だったけれど、聖女ウィニフレッドや世渡りがうま...
ケン・フォレットの『大聖堂』と同時代の12世紀イングランドを描いた作品。時代背景が非常にわかりやすく、登場人物たちも現代の人々のような感覚で行動してくれるので、物語に入り込みやすい。世間ずれした優しい元十字軍兵士・カドフェルも魅力的だったけれど、聖女ウィニフレッドや世渡りがうまく老獪なロバート副院長など、脇役の面々がおもしろい。シリーズものらしいので、次作もぜひ読みたいな。
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