脳はいかにして“神"を見るか の商品レビュー
wired・科学・第6位 mmsn01- 【要約】 ・ 【ノート】 神秘体験を脳神経学的に測定可能な具象ととらえ、祈り、座禅、宗教儀式といた宗教体験を脳科学によって説明を試みた冒険的著作。翻訳は茂木健一郎。 ◆ユーザーからのコメント 宗教と科学の溝がうまる?
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「宗教的神秘体験」は、著者が「方向定位連合野」と呼ぶ 三次元的な身体感覚を作り出し空間内での身体の位置づけを 行っている脳の領域が、感覚入力を遮られることにより ある意味暴走し、自己の境界を定められなくなることによって 巨大なリアリティーとの合一を体験することとする前半部分 は、...
「宗教的神秘体験」は、著者が「方向定位連合野」と呼ぶ 三次元的な身体感覚を作り出し空間内での身体の位置づけを 行っている脳の領域が、感覚入力を遮られることにより ある意味暴走し、自己の境界を定められなくなることによって 巨大なリアリティーとの合一を体験することとする前半部分 は、とてもエキサイティングで楽しめる内容だった。この 現実世界のリアルさも経験している脳の中での話であるの だから、宗教的神秘体験も同程度のリアルさを持っていても おかしくない、というのも納得出来るところだ。 だが、後半、何となく神概念を弁護するような話の流れに なってくるとどうもいただけない。言いたいことはわかるし そう言わざるを得ない立場だろうということもわかるのだが そこは科学者がコメントしなくてもいい領域なのではないだ ろうか。 人間の脳はもともと宗教的神秘体験を感じることができる ようにできている。それを鳥の翼になぞらえて説明している あたりに大きな可能性を感じるのだが。
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神秘体験は人以外の存在による救済か。それとも幻覚や妄想の産物か。 条件さえ揃えば誰もが神秘体験ができるのか。 脳の研究者二人が脳の分析や資料を渉猟して実感した、神秘体験の正体とは。 神秘体験を肯定的に、脳神経学での読み解きを試みた論考書。 我々の知覚、気分、経験等は全...
神秘体験は人以外の存在による救済か。それとも幻覚や妄想の産物か。 条件さえ揃えば誰もが神秘体験ができるのか。 脳の研究者二人が脳の分析や資料を渉猟して実感した、神秘体験の正体とは。 神秘体験を肯定的に、脳神経学での読み解きを試みた論考書。 我々の知覚、気分、経験等は全て、脳神経学的機構を基礎にしている。体験者の脳が正常でかつ体験者の談が嘘偽りでないならば、神秘体験もまた脳神経学の観点から読み解けるのではないか――。 この仮説を検証するために著者らは脳の実験や機械測定、様々な資料を渉猟した。その結果、「ヒトの脳にはたしかにリアルなスピリチュアル体験をする能力が備わっていると確信した」(二三頁)。だが脳科学は未だ発展途上の分野である。ついに著者らは「(現在の)科学の限界に突き当たった」(二一五頁)。 そのため、本書は神秘体験を完璧に科学的に解説しているわけでなく、その点では不満を感じる読者がいるかもしれない。だが科学が神秘体験を解明するまでに至る、道の途中に立てられた“道標”と考えれば、サイエンティストもスピリチュアリストも読むに値する本だと、私は思う。 本書の中で、瞑想時の脳の活動状態の観察実験でわかった、被験者が瞑想がピークに達したと感じた時、どこの部位の活動が盛んになっているのかを解説しているのだが、別の本で、見えないもの(お化けとか妖怪とか幽霊とか)を視覚化させている部位についても同じ所を指している。そしてそこは空間と時間、自身と世界との境界を自覚する所でもある。 より多方面から分析を試みていけば、神秘体験の解明はより進むかもしれない。 ※併せて読んでみてほしい書籍 ・『奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)』 ・『一年は、なぜ年々速くなるのか (青春新書INTELLIGENCE)』 ・『永久保貴一の封じられた霊能力 (ダイトコミックス 338)』
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
宗教そのものを「洗脳乙」という形で全否定するつもりは毛頭ないのですが、それでも、人間を呪縛したり、精神の奴隷化として機能するものは宗教をおいて右にでるものはない事実を否定することはできない。 ただ、単なる「カルト」というレッテル張りで「OK」とすることにも異論があるのは事実だが、人間がどのように「隷属への道」をたどっていくのか……という意味では示唆に富む一冊。 隷属へ進む人間精神の構造論を、形而上学的推論によって根拠づけることは可能だが、やはり限界があるし、形而下を自認してやまない心理学的還元主義のアプローチの「解釈」にもゆれはばが広すぎる。 そう。 そろそろ「魂」という怪しい概念で全てが説明できると考えることをセーブする必要があるのかもしれない。現実をひねって「物語」的歪曲を是としてしまうのは、ある程度は「脳の機能」ということだ。 見えないものを見、信じる必要のないものを信じてしまうという報告を受け止めることは必要だと思う。 発想を新鮮にしてくれる一冊。特に人文諸学の人間に読んで欲しい。 ※ 大分前に読んだほうがいいよとすすめてもらっていた一冊ですが、読んで正解。 ※ 余談ですが、そろそろ「魂」還元主義(による説明)を一端留保し、脳科学(機能の問題)+ゲーデル(理性の問題)+量子論(存在の問題)のアプローチをそろそろ机上にあげるべきですね。
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やや現在では古いという印象を与える本ではあるけれども、趣旨である「神秘体験は脳の誤作動ではなく、むしろ主要な能力である」というメッセージは今でも鮮烈。
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求心路遮断(ヒトが浮くような液体に視覚も聴覚も遮断すること)の環境にあると幻を体験したりします。そのような環境にあるとき、脳はどのような活動をするのでしょうか?長時間お経をとなえたり、繰り返し同じ動作を続けたりして、同様の体験が幻覚を体験し宗教を感じます。そんな、脳の活動を解説し...
求心路遮断(ヒトが浮くような液体に視覚も聴覚も遮断すること)の環境にあると幻を体験したりします。そのような環境にあるとき、脳はどのような活動をするのでしょうか?長時間お経をとなえたり、繰り返し同じ動作を続けたりして、同様の体験が幻覚を体験し宗教を感じます。そんな、脳の活動を解説しています。某宗教集団は、とてもよくここのあたりをわかっていて、長時間踊らせたり、独房にいれたりしてました。あらためて、宗教と脳の働きについてわかったような気になりました。ちょっとむずかしかったけどね・・・
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