新編 李白の文 の商品レビュー
234頁:『後漢書』卷百十 趙壹傳に見える。 247頁:『後漢書』卷九十七 黨錮 『後漢書』卷七十 孔融 ・卷百十 趙壹傳と卷九十七 黨錮は『四庫全書』本(と同じ底本)により,卷七十 孔融は中華書局本[底本:宋紹興本] によっている。孔融傳(列傳六十)は黨錮傳(列傳五十七)と趙壹...
234頁:『後漢書』卷百十 趙壹傳に見える。 247頁:『後漢書』卷九十七 黨錮 『後漢書』卷七十 孔融 ・卷百十 趙壹傳と卷九十七 黨錮は『四庫全書』本(と同じ底本)により,卷七十 孔融は中華書局本[底本:宋紹興本] によっている。孔融傳(列傳六十)は黨錮傳(列傳五十七)と趙壹傳(列傳七十下)の間にあるから,異なる版本によって巻数を示していると考えるしか説明がつかない。 ・中華書局本であれば,趙壹傳は,「卷八十下 文苑列傳第七十下/趙壹(P.2628)」。 ふたりの著者がそれぞれちがう版本を用いて注を書き,それをまとめたから,こういうことになったのか? 237頁:星の名で,文相宮をつかさどる星。 ・「文相宮」なる語の出典未詳。不審。 引用文の『周禮』卷十八 大宗伯「祀司中司命飌師雨師」中「司命,文昌宮星」を根拠としているのなら「文昌宮」のあやまりか? なお,」中「は,『注』字のあやまり。 240頁:知君侯‥『古文觀止』は「知侯」とする。 ・疑誤。 249頁:『魏書』卷四十三 房法壽 族人 靈堅「靈建在南……」 ・「靈堅」は「靈賓」のあやまりであろう。 256頁:「雕蟲」は,蟲が葉などを刻むこと。 ・根拠未詳。新釈漢文大系『古文眞寶後集』の注は,「虫のような細かな模様を彫ること。転じて,文章をかざることを雕蟲篆刻という」として,《揚子法言》吾子卷第二:「或問:「吾子少而好賦。」曰:「然。童子雕蟲篆刻。」俄而曰:「壯夫不為也。」を引用する。/なお『漢語大詞典』雕蟲篆刻:「蟲書、刻符分別為 秦 書八體之一, 西漢 時蒙童所習。 因以“彫蟲篆刻”喻詞章小技」。台湾『重編国語辞典』雕蟲篆刻:「雕琢蟲書,篆寫刻符」。 /「蟲が刻む」であるのなら,「蟲雕」という語順なのではないか? ・なお,姚錫鈞 《論詩絕句》之三:“篆刻蟲雕笑壯夫,鑿山鑄鐵歎陽湖 。” 元 傅若金 《壽陳景讓都事四十韻》: “文章殊豹隱, 篆刻近蟲雕。” 明 徐渭《上新樂王啟》: “謹布尺書, 託諸魚腹;兼呈小刻, 真愧蟲雕。” のように「蟲雕」の語順の用例あり。 ・まとめると,注としてはまず『揚子法言』を引用して,「壯夫は為さない」=雕蟲(著者「こまかいわざ,あるいは小手先のつまらない技」)とするのがよいと思うが,「蟲が葉などを刻むこと」という著者の説と合致しないから,引用を避けたのか?
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