一般言語学 の商品レビュー
細かい内容については自分には専門的すぎて難しかった。社会科学や文化人類学との出会いもあるが、ヤコブソンはかなり自然科学や通信理論といった理系的な考え方を意識していたことが印象深い。
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言語学はまったくわからない領域で、かなり緻密に理論化が進んだこの分野に、さほど強い興味を持ってもいない。しかしヤーコブソンに興味があったのは、「構造主義」が、レヴィ=ストロースと彼との「出会い」の中から、まさに誕生したのだと思われるからだ。 実際に読んでみると、なるほど専門的でわ...
言語学はまったくわからない領域で、かなり緻密に理論化が進んだこの分野に、さほど強い興味を持ってもいない。しかしヤーコブソンに興味があったのは、「構造主義」が、レヴィ=ストロースと彼との「出会い」の中から、まさに誕生したのだと思われるからだ。 実際に読んでみると、なるほど専門的でわかりづらい。が、考え方が確かに、レヴィ=ストロースの構造人類学と結びつくところがあり、この音韻論や文法の研究がいかに「現代思想」に影響したかを体感することが出来た。 しかもヤーコブソンは常にノーバート・ウィーナーらの通信理論(サイバネティックス)、ニールス・ボーアなどの量子力学を参照しており、20世紀の知の大きなうねりが、確かにここに渦巻いていると感じ、圧倒された。 言語学入門などをもうちょっと読んでから、再読したい本。
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