1,800円以上の注文で送料無料

秘事・半所有者 の商品レビュー

3.3

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

『秘事』は長編、『反…

『秘事』は長編、『反所有者』は短編。後者はヘビーな内容ですが、前者は淡々としながらもラストで感動させる作品に仕上がっています。

文庫OFF

死んだ妻に対する愛を…

死んだ妻に対する愛を描いた川端康成文学賞受賞の傑作短編「半所有者」と幸せな結婚に隠された事故とは…の「秘事」。読む価値ありです。

文庫OFF

老夫婦の淡い絆と死別…

老夫婦の淡い絆と死別を描いた長編「秘事」に、こちらはそれをダークにしたような短編「半所有者」を収録。どちらが好きか好みは分かれるかもしれませんが、どちらも一級品です。

文庫OFF

老夫婦の淡々とした愛…

老夫婦の淡々とした愛情を描いた長編、「秘事」と、老いた夫による妻の死姦を描いた「半所有者」を併禄。どちらも良いです。

文庫OFF

私にはまだ理解できな…

私にはまだ理解できない世界・・・という感じがしました。「半所有者」に対しては恐怖すら覚えました。

文庫OFF

2023/03/05

愛に満ちた長編『秘事』、20p弱で終わる衝撃的な『半所有者』のとんでもない2本立て。 『みいら採り猟奇譚』でも感じたが、河野多惠子の表現する男女の愛の美学は非常に崇高でもありながら歪。 キャリアの終盤で彼女の導き出したこれまでの答えがこの2本と思うと感慨深い。良質な一冊でした。

Posted byブクログ

2016/02/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 「秘事」は出来過ぎなくらい完璧な夫婦の物語です。読んでいて、嫉妬してしまったり、幸せのお裾分けをもらったり、不思議な気分になりました。  何一つ過不足無く完璧な夫婦かと思いきや、息子の目からは共依存ぽく映っているのも新鮮でした。それでもいい夫婦だと思うけど。  「多幸症」という症状は、この番組で初めて知りました。そのせいで「あの秘密」を妻に言えなかった夫に涙しました。また、眼鏡の下にハンカチを押し当てるシーンも泣けました。いい小説だと思います。  一方、「半所有者」は愛情の強い夫はいいと思うけど、描写が生々しく気色が悪かったです。

Posted byブクログ

2012/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何気なく道を歩いていて住宅地などを通るとそれぞれの家にそれぞれの家族があることにどこか途方に暮れるような気持ちになることがある。どの家に住んでいる人にもそれぞれの歴史があるだろう。自分が交流をするのはそのほんのごくごく一部。それは当り前のことだし、それに抗おうとして活動的になってもっと多くの人と関わりを持とう、とも思わないが「時間経つの早いな」とか「人生短いな」といった思いはやはりよぎるようである。 河野多恵子さんの「秘事」はある平凡な夫婦の生活を描いたものだ。結婚前から、妻が亡くなるまでが丁寧に描かれる。「秘事」と題がついているし、私の中の河野さんの谷崎好きのイメージが艶っぽい筋を想像させたのだけれど、全くそれがなくて意外だった。本当に平坦に小説が進んでいく。幸せな家族だ。 なんとなく読んでいるうちに終わってしまったけれど、後で振り返ると、麻子が傷を負うエピソードや、夫に内密で貸金庫を借りるところなどが、薄ぼんやりと浮かび上がる。印象派の絵画みたいな小説だ。 ささやかな「秘事」はどんな家庭にもあるのだろうな。自分の記憶の中のなだらかな起伏にも色を与えてもらったような気がする。

Posted byブクログ

2012/09/23

一流商社で役員にまで登りつめた夫清太郎と、何年経っても夫に“ほんまに気持のええ奴”だと思わせる妻麻子。おまけに結婚を控えた息子に「おふたりは僕の最も大好きなご夫婦なんですよ」とまで言われる理想的な夫婦の日常を描く。 これでもか、これでもか、というくらいすべてがうまくいっている。あ...

一流商社で役員にまで登りつめた夫清太郎と、何年経っても夫に“ほんまに気持のええ奴”だと思わせる妻麻子。おまけに結婚を控えた息子に「おふたりは僕の最も大好きなご夫婦なんですよ」とまで言われる理想的な夫婦の日常を描く。 これでもか、これでもか、というくらいすべてがうまくいっている。ある意味異常だ。でもこれくらいの秘事を抱えてみたいとも思わせる。 「半所有者」は、妻の遺体と最後にもう一度交わろうとする男の物語。短いながらもあまりにも河野多恵子らしい、濃厚な作品だ。

Posted byブクログ

2012/01/17

とっと、とっとと、作者が勝手に(?)思いついたことを思いついたまま語った、という感じの物語です。 日常をとりとめもなく。 それでも何だか、不思議な情愛を感じます。

Posted byブクログ