いま、小津安二郎 の商品レビュー
映画館に併設されている図書コーナーで見つけて読み始めた。 小津安二郎監督の映画を語れるほどたくさん見ているわけではない。東京家族や晩春、麦秋くらい。 語らずして語る。余計な言葉はない。低いアングル。小津作品のそういうところが好きだ。 映画に関する話もさることながら、服、食事など...
映画館に併設されている図書コーナーで見つけて読み始めた。 小津安二郎監督の映画を語れるほどたくさん見ているわけではない。東京家族や晩春、麦秋くらい。 語らずして語る。余計な言葉はない。低いアングル。小津作品のそういうところが好きだ。 映画に関する話もさることながら、服、食事などなど小津監督の好みなど様々なことが書かれている。 俳優の衣装もこだわりがあり、男性は白いシャツ。原節子で確立した女性ファッションも岸惠子の参入でまた変わる。 女性の髪は常にアップ、垂らさない。 伸ばしていても耳は出す。額も必ず出す。 フランスでオートクチュールが全盛だった頃、店にはデザイナー専門の服を着て見せる人がいて、服を完璧に美しく見せるためには髪が垂れていてはダメだった。小津監督の短髪趣味は衣装も女優も魅せたいと、そういうところから来ているのかもしれない。 今見ても小津安二郎という人はかっこいい。 こういう映画監督がいて、今も作品を見ることができる喜び。 昔のフイルムからDVD化することの苦労話などは興味深い。
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小津さんのオシャレとグルメを堪能できる一冊です。 後半の、小津作品DVD化の苦労話が興味深かったです。 ネガの保存状態が悪い、VHS化の際に黒つぶれで情報のディティールが見えなくなっていたのを、DVD化で可能な限り階調を豊かにした話。 小津さん、DVDを見てどうお感じになるんだろ...
小津さんのオシャレとグルメを堪能できる一冊です。 後半の、小津作品DVD化の苦労話が興味深かったです。 ネガの保存状態が悪い、VHS化の際に黒つぶれで情報のディティールが見えなくなっていたのを、DVD化で可能な限り階調を豊かにした話。 小津さん、DVDを見てどうお感じになるんだろう。アグファやコダックの赤青の違いの話も面白かったです。
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小津安二郎って映画監督として、作品がどう、という以外に 人物が魅力的。スナップらしい写真で役者ばりな顔をしている。 映画製作のこだわりにも通じると思われる、ご本人のプライベート でのインテリアやファッションの粋なこと。これほどまでの映画監督 って他にいないのでは。だからこういうビ...
小津安二郎って映画監督として、作品がどう、という以外に 人物が魅力的。スナップらしい写真で役者ばりな顔をしている。 映画製作のこだわりにも通じると思われる、ご本人のプライベート でのインテリアやファッションの粋なこと。これほどまでの映画監督 って他にいないのでは。だからこういうビジュアルブックが成り立つ んだなぁ。
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小津監督が生涯独身で通したのは、まわりの女性はすべて、商売道具としか見えなかったのではないからだろうか(悪い意味ではなくて)とふと思った。それくらい監督にとって映画というのはすべてで、公私を分けるとか切り離すとか、そういうことが出来なかったのでは、またする必要がないとか。でもごく...
小津監督が生涯独身で通したのは、まわりの女性はすべて、商売道具としか見えなかったのではないからだろうか(悪い意味ではなくて)とふと思った。それくらい監督にとって映画というのはすべてで、公私を分けるとか切り離すとか、そういうことが出来なかったのでは、またする必要がないとか。でもごくごく親しい人がいつも身近にいたような気がする。映画だけではなく、自身の身につけるもの、小物など、こだわり抜いたそれらを監督自らが、調達していたとは考えにくいから。本書では、スタイリストの原由美子さんが映画の中の衣装や小物についてまたまた楽しい検証をしている。
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