人格障害かもしれない の商品レビュー
人の心の中というのは、最も複雑で、定義を付け難い類いだと思う。 自分でも自分の事があまりよくわからないのに、他人の人格を導いたり、ましてやそれを治療するのは極めて困難に近いのも頷ける。 この本は、人格障害というものの説明と、その具体的な(クライアントの)例が取り上げられている。 ...
人の心の中というのは、最も複雑で、定義を付け難い類いだと思う。 自分でも自分の事があまりよくわからないのに、他人の人格を導いたり、ましてやそれを治療するのは極めて困難に近いのも頷ける。 この本は、人格障害というものの説明と、その具体的な(クライアントの)例が取り上げられている。 そして人格障害がもたらす良し悪しも、例をつかって具体的に描かれていた。 中でも、天才とうたわれる人達(尾崎豊や太宰治等)や、凶悪事件の犯人(麻原彰晃や酒鬼薔薇少年等)を人格障害の側面として見解するあたりは興味深い所だった。 この手の本(精神見解の本)は最初だけパラパラっと読んで、凹んで閉じてはいけないものだと思う。 結局凹みやショックだけが残ってしまうから(それは自分がその精神障害なり人格障害なりの中に当て嵌まるかもしれない、という思念が働いた時にだけ凹むものであって、他の場合は凹んだりしないんだけど)。 クライアントはクライアントなりに、自分や他人との向き合いを客観的に見る事も大事だが、それだけではなく、そこから自分が自分をどう変えて行くか。というのはもっと大事な気がする。 「不安定の中の安定」というのは上手い言い回しだなぁ。と思ったり。 というよりも、この本を読み終わって、結果思った事は「この世の中で人格障害じゃない人っているのだろうか」って事なんだけどね。
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