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臨床行動心理学の基礎 の商品レビュー

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2009/10/04

妙なタイトルだが、実は心理学の概説書。その上、おそらく現在流通している心理学概説書の中でも5指に入る出来ではあるまいか。 最大のポイントは第一部に「心を科学する」と言う項目を持ってきており、そこで「心・心理学とは何か」というテーマに対し大上段から切り込んでいっているところ。今...

妙なタイトルだが、実は心理学の概説書。その上、おそらく現在流通している心理学概説書の中でも5指に入る出来ではあるまいか。 最大のポイントは第一部に「心を科学する」と言う項目を持ってきており、そこで「心・心理学とは何か」というテーマに対し大上段から切り込んでいっているところ。今までの心理学概説書には無かった(あってもわずかで不十分)スタンスで、これを読んで「心理学」のスキーマを作ったうえで具体的な内容に入っていけるのは、強烈に理解に寄与する。 構成も良く、十分5ッ星に値する、と言ってもいいのだが、しかし「心理学概論書」としての性質を考えると若干割り引かざるを得ない。それは、タイトルにもあるが「臨床・行動」の2テーマに絞られているため、「心理学概論書」としては発達・認知などの分野で触れられていない部分が多いこと、そして行動分野の一部が不必要に深く入り込んでいる(ように思われる)点である。 一冊軽い概説書を読んだあとにお勧めしたい書である。

Posted byブクログ