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私はあなたを見捨てない の商品レビュー

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2011/11/14

いわゆる病院メインで働くMSW(医療ソーシャルワーカー)のエッセイ。 病む人、障害を持つ人、その家族などのとらえ方は、一般よりは、一段深いものがあるが、どこか「きれい事」で終わっているような気がする。これが、この著者=ワーカーの最大の欠点だと思う。 否定的な感情、つまり障...

いわゆる病院メインで働くMSW(医療ソーシャルワーカー)のエッセイ。 病む人、障害を持つ人、その家族などのとらえ方は、一般よりは、一段深いものがあるが、どこか「きれい事」で終わっているような気がする。これが、この著者=ワーカーの最大の欠点だと思う。 否定的な感情、つまり障害や病、死を受け入れられない大多数の人こそ、ソーシャルワークの対象とすべきであり、そうでなければ、社会福祉学の歴史が繰り返してきたように、「ソーシャルワークは専門職か?」「ちょっと人に親切で、多少の知識があれば、相談援助職なんてボランティアで十分ではないか?」という根源的な問いが出てしまう。 「私はあなたを見捨てない」のは、ワーカーの自由であり、重要な価値の一部分である。しかし、それが単なる善意のみでは、専門職たる証明にならない。 ミクロの部分で言えば、もっと心理援助の部分を、メゾそしてマクロの部分で言えば、ソーシャル・アクション、コミュニティ・ケアの分野での活動を書いてくれなければ、ソーシャルワーカーについて、偏った認識を社会に与えてしまう。 医療や介護職については色々な紹介本があるが、ソーシャルワーカーについて紹介する類書がなかなか無いだけに、次回は、もう一層の内容の充実を期したい。 以上、辛口なコメントになってしまったが、一つ一つの話し=ケースは、感慨深い部分もあり、ワーカーとしてではなく、人間として学ぶ箇所は多いので、☆3つ。

Posted byブクログ