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エコロジカル子ども論 の商品レビュー

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2010/12/17

自分の感覚や価値観の見直しを突きつけられる本だった。著者は、徹底的にこどもの側に立ってる人だなあと思う。後半は著者が「こどもに関わる大人の、こういうあり方ってどうなのか」という批判を読みながら、「ああ、これ私のことや」と、胸がチクチクしながら読んだ。 p.41 私は、他者の子育...

自分の感覚や価値観の見直しを突きつけられる本だった。著者は、徹底的にこどもの側に立ってる人だなあと思う。後半は著者が「こどもに関わる大人の、こういうあり方ってどうなのか」という批判を読みながら、「ああ、これ私のことや」と、胸がチクチクしながら読んだ。 p.41 私は、他者の子育てのあり方を批判する人々に出会うたびに、ずいぶん大胆な人たちだと思ってしまう。自分が十分に育てられ、また落ち度なく育ててきたという自信が背後にあるのだろうが、そんなものは砂上の楼閣に過ぎない。皆が危ういところで、育て、育てられていることを基盤にしない限り、親の養育論議は進展しないだろう。 p.114 問題解決に際しては、カウンセラーやソーシャルワーカーは、解決の代行者ではないと、私は考えている。そうではなくて、当事者が問題を通して、人間としていかに成長を遂げていくかをサポートすることである。 p.137 自分に否定的なレッテルを貼って変容を迫るような人間との間に、可能性がある関係を結ぶなどということは(こどもからすれば)笑止千万に違いない。 p.200 熱意とか善意というものは、そのもの自体は別に良いものでも悪いものでもない。善意が善意として成立するのは、その子にとって良きこととして作用した時。 p.208 教師というのはみんな子どもの幸せを願っている。頭では。だけど「私は子どものために頑張っている」という使命感があると、ひどいことをやっていても気がつかなかったり、そのことばに自分が酔って自分の行為がごまかされてしまったり、やっていることがそのことばに許されてしまう。少なくとも教師間では(がんばってる)ということで評価されます。  p.250 援助者の側が硬直した価値観を有していたり、規範意識が強かったりする場合は、クライエントを否定的にとらえたり決めつけをしたりして、彼(彼女)の言動を受容する幅が狭くなるおそれがある。クライエントの投げかける多様な問題を受け止めるには、援助者の柔軟な姿勢や態度が求められるのである。

Posted byブクログ