恋愛曲線 の商品レビュー
大正時代に書かれたものであるらしいが、恐ろしさは現代でも十分に感じ取れる。 医学者が書いたものだけあり、医学についての描写が細かく、その部分だけでも面白い。 短編で読みやすいし、暇つぶしにでも読んでほしい一作。
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狂気。「誰よりも温かい血が流れておるべき筈」の「真の科学者」は、自分の強い愛着の念を持っている者の命、そして自分の命でさえも実験には惜しまない。嫌味ったらしい科学者の、恋敵である者への結婚祝いとしての手紙、それが次第に恋愛曲線とは何たるかを理解できるにつれ恋敵の結婚相手を実験の末...
狂気。「誰よりも温かい血が流れておるべき筈」の「真の科学者」は、自分の強い愛着の念を持っている者の命、そして自分の命でさえも実験には惜しまない。嫌味ったらしい科学者の、恋敵である者への結婚祝いとしての手紙、それが次第に恋愛曲線とは何たるかを理解できるにつれ恋敵の結婚相手を実験の末に殺してしまう手紙へとなってしまう。展開が予想できていく後半につれ、かなり動悸を感じるのだが、最後の文で驚愕に変わる。一瞬思考が停止してしまった。今、まさに雪江さんの心臓を手にかけている、この手紙形式というタイムリーな形式をとることによって、余計に恐怖が増す。気になった点は、自分の血液を30分も流し続け、意識を保つことはできるのか、という点だ。
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