ブックマップ 現代フランス哲学 の商品レビュー
原題は『現象学の不可能性について』というのが主題のようだ。そのタイトルの通り、現象学に視点を置きながら、20世紀のフランス哲学史を追ったもの。 ドゥルーズに関しては、『哲学とは何か』で概念の概念を提示することに言及しながら 「ドゥルーズは、この概念の概念を直接的に示しながら、そ...
原題は『現象学の不可能性について』というのが主題のようだ。そのタイトルの通り、現象学に視点を置きながら、20世紀のフランス哲学史を追ったもの。 ドゥルーズに関しては、『哲学とは何か』で概念の概念を提示することに言及しながら 「ドゥルーズは、この概念の概念を直接的に示しながら、そして現働的なものに劣らず実在的である潜在性(ハイデガーの現-前と不-在の戯れとは共通の尺度をもたない根本的な内在平面)を動員しながら、まるで現象学の全行程を歩み終えてしまうかのようである。」p.116 と述べられるように、現象学を乗り越えるものとして描かれている。 また、それよりも徹底して現象学を乗り越えていくのがバディウである。 「ドゥルーズの哲学…は、現象学の歴史の中に封印されるのである。…この現象学に対抗して、バディウはドゥルーズに向かってもっとも辛辣なアンチ現象学的嘲弄を投げつけるだろう。」 それはやはり、ドゥルーズが数学を現象学的なもののうちに直接包摂することが理由のようだ。 後半では、フーコーの権力論、プリゴジンの不可逆的時間に関する科学哲学、リオタールの崇高論なども扱っている。
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