チャーリーと水中眼鏡 の商品レビュー

清水アリカ(著者)

2019/03/24

ゴスロリ&エログロ。ただしグロとしては甘口。エロは兎が2度ほど射精する程度。あえてなのか、踏み切れなかったのか、、作者の抑圧された何かを感じる。

2014/07/30

“ふたりはマットレスの上で裸のまま折り重なって眠る。ヘリコプターの音が近づいては遠ざかる。サーチライトの光が破れた天井から差し込んできて、クロははっとして目を覚ます。首筋やみぞおちに汗の玉が光っている。見上げると、天井の梁にかけられた赤い首吊りスカーフが隙間風に揺れている。サーチライトの光がシロの体の上を斜めに横切っていく。シロは寝返りを打って、寝言をつぶやく。
「なに？何て言ったんだ？」
「気にすることはないよ。君は可愛がってたハムスターが死んで気落ちして、首を吊ったんだ。でも、運よくぼくが見つけて助けたんだ。そういうことさ」”[P.18_ユニコーン]

「ユニコーン」
「チャーリーと水中眼鏡」
「イースターエッグ」
「ペンギンTV」

とんとんと奇妙な世界観が広がっていく。
少し気味が悪くて、廃退的。

“「義眼を忘れていったわ」
「古い手だ。また君と会う口実になる」
リポーターは身をひるがえして、水のなかに潜る。小さな泡が水面に現れては消える。一瞬、彼女は不安に襲われ、プールを覗き込む。一分もたってからようやく荒い息をしたリポーターが浮き上がってくる。
「プールの底に何があったの？」
「底がないんだ。深く潜ると、腐ったボートの残骸が見える」”[P.121_イースターエッグ]

2009/10/07

空を見上げる動物は人間とペンギンだけだ…。破滅のあとを生きのびるストリート・チルドレンや、謎の女、水中眼鏡で街を歩く配管工らの奇妙な冒険を交錯させながら、リリカルでリスキーな世界を描き出す。

2009/10/04

やはりユニコーンが一番のお気に入りです。清水さんの作品の多くには退廃世界の中を人間らしい絶望と哀愁が息を潜めて暮らしているような、そんな印象を受けます。

2009/10/04

何も特別な事は無いというように淡々とした話で４話。わたしとしては舞城王太郎「熊の場所」以来の感覚。オススメは一番最初のユニコーン。正直もうこの時点で読みたくはなくなったのだけれど、それでもどうしても手が伸びてしまう一冊でした。毒々しい魅力なんて、いっていいのかわかんないけど。
表題にもなってるチャーリーと水中眼鏡もよかった。