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共犯者 の商品レビュー

4.2

16件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

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2020/12/27

園子温監督の『冷たい熱帯魚』を観て興味を持ち、手に取った。 2011年の8月くらいに映画をみてその後この本を探したが、当時アマゾンで6000円~7000円の値段が付いていた。恐らく映画の影響だ思われる。そのくらい強烈な映画だった。ちなみに2013年5月16日現在は、4599円。...

園子温監督の『冷たい熱帯魚』を観て興味を持ち、手に取った。 2011年の8月くらいに映画をみてその後この本を探したが、当時アマゾンで6000円~7000円の値段が付いていた。恐らく映画の影響だ思われる。そのくらい強烈な映画だった。ちなみに2013年5月16日現在は、4599円。 その後図書館の蔵書にあったので予約したが、こちらも予約が殺到しており、順番が回って来るまで1年9か月かかった(笑)こちらも映画の影響だと思うが、あの映画に興味を持った人がこんなにいるのか、と少し驚いた。 映画を観た後だとあまり衝撃はないけど、それでも十分に面白い本です。 設定がいくつか変更されているが、概ね映画と同じ内容。映画にはないエピソードもあるが(死姦など)、作者のキャラクター(チンピラ)を考えると、どこまで事実なのかは判然としない。 共犯者の男が書いたにしては随分文章が上手いなと思ったら、案の定 蓮見圭一という作家(当時は記者)が書いたらしい。ちなみにこの本は文庫化される際に『愛犬家連続殺人事件』と改題され、作者も志麻永幸とペンネームに変更された。 その後さらに改題、加筆修正され、『悪魔を憐れむ歌』として蓮見圭一名義で出版されている。しかしなんでストーンズなんだ。

Posted byブクログ

2018/09/15

「埼玉愛犬家連続殺人事件」の従犯とされる山崎が書いた本。この事件は園子温監督の映画「冷たい熱帯魚」のベースにもなっている。ノンフィクションという位置づけではあるが、本事件に関しては証拠があまりになかったゆえに山崎と検察・警察の司法取引があったともされており、眉につばをつけつつ、読...

「埼玉愛犬家連続殺人事件」の従犯とされる山崎が書いた本。この事件は園子温監督の映画「冷たい熱帯魚」のベースにもなっている。ノンフィクションという位置づけではあるが、本事件に関しては証拠があまりになかったゆえに山崎と検察・警察の司法取引があったともされており、眉につばをつけつつ、読むのがいいだろう。被害者サイドから事件を追った「仁義の報復」と併せて読むのがいいかもしれない。

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2016/06/03

短編集なのでスラスラと読みやすい。 意外性のある話が結構多いわーい(嬉しい顔) 特に「潜在光景」がおもしろかった。最後にこう来たか~って感じで。 でももうちょっと長く描写しててもいいかも。 なんか人の弱さを見た感じ。 「愛と空白の共謀」とかちょっと切ない。

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2015/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

意気地なく犯罪に加担してしまった共犯者の著者は関根に怯えて従順に従うしかなかった。関根の悪知恵と道徳心の欠落は神がかり的である。こういった人と関わったらえらいことになるのはしかたがなかったのかもしれないが、終始気になるのが著者のクソ生意気な文体だ。自分は臆病だと認めるのも嫌だし無慈悲な冷酷者と思われるのも嫌という優柔不断な人間性がこういった書き方になるのだろう。悪にもなりきれないくせに生意気な口調で物語る様が無様だが、文章がうまいと思う。こいつのやったことは許されることではないし、反省の色も見られないし、自分は被害者ヅラして従うしかないことを強調しつつも上から目線が鼻につく傲慢な臆病な男の風上に思置けない被害者を見殺しにしておいて罪の意識もなく恐怖恐怖とばかり繰り返し訴える最低な根性がにじみでている著者だが、作品として関根の恐ろしさは十分伝わった。

Posted byブクログ

2014/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

”ボディーを透明にする”が強烈な名言ともなった埼玉愛犬家殺人事件の犯人。 なぜそこまで虚勢を張れないと生きて行けない人生になってしまったのか、女や金も自分が動けば手に入る、しかしそこに心の安堵感はあったのだろうか。 他に著書もあるという事であえて評価を下げているが、もう少し逮捕後の事も明確に書いて欲しかったのも本音。 逮捕された時の心情、人には必ず終わりが来るという事を痛感した犯人はどういう気持ちだったのだろうか。 なぜ愛し合って出来た待望の人間がここまで悪に染まったのだろう。 心理状態が気になるというのが本音だが、きっと慣れてしまえばたいした事無いのだろうというのをなんとなく悟った。 殺人鬼、基地外、そういう色々な肩書きを含んでしまうから人は期待をしてしまう。肩書きというのは邪魔な物なのかもしれない。

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2012/09/24

著者が最低 主犯が出てこられないのをいいことに自分を美化しすぎ ここには書かれていない、黒いことをもっとしてるはず などと、思ってしまいました

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2012/08/15

映画「冷たい熱帯魚」のモデルになった事件の、脅されながら共犯者となった人物の述懐書。実録であり、その目で死体を嬉々として解体する関根夫婦を記録した描写は鬼畜としか思えない。おそらく日本の犯罪史上、立件されてない事案を含めてもっとも殺人を犯した人物だろう。背筋がここまで寒くなった犯...

映画「冷たい熱帯魚」のモデルになった事件の、脅されながら共犯者となった人物の述懐書。実録であり、その目で死体を嬉々として解体する関根夫婦を記録した描写は鬼畜としか思えない。おそらく日本の犯罪史上、立件されてない事案を含めてもっとも殺人を犯した人物だろう。背筋がここまで寒くなった犯罪本はない。

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2012/07/29

「冷たい熱帯魚」を見た後、たまらず図書館で(新品は入手困難)借りた。皆考えることは同じみたいで、予約してから入荷までスゲー待たされたw。

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2011/11/14

埼玉愛犬家連続殺人事件が好きすぎて、純粋に読み物として評価できないので、評価しませぬ。 好きすぎてって部分で、もう何かおかしい通り、以下、不謹慎な発言も垂れ流しますので、ご注意を。 当時のことは劇中でも語られているように、オウム事件と阪神・淡路大震災によってほぼかききえてし...

埼玉愛犬家連続殺人事件が好きすぎて、純粋に読み物として評価できないので、評価しませぬ。 好きすぎてって部分で、もう何かおかしい通り、以下、不謹慎な発言も垂れ流しますので、ご注意を。 当時のことは劇中でも語られているように、オウム事件と阪神・淡路大震災によってほぼかききえてしまっているんだが、一つだけハッキリとした記憶がある。 「愛犬家」といういかにもとっつき安そうな名前に続く「殺人事件」というちぐはぐさが、当時少坊だったおいらの頭に深く突き刺さったのだ。 園子温の『冷たい~』を鑑賞し、久々に「埼玉愛犬家――」のことを思い出すと同時に、吹越タソの名演から共犯者であるとされた志麻とは一体どんな人物だったのか、妙に気になり本書を手に取った。 ざっくりと総括すると、気付くと関根が出てくるところしか真剣に読んでなかったし、気を抜けば市橋ギャルならぬ関根ギャルと化しそうな自分が一番恐ろしかった。 何を言っているんだ私は。 初めは思っていた以上に客観的かつ冷静な書き方、文章力の高さに唸ったが、徐々に「俺が俺が」という志麻の独白調が強まり、スタンガン辺りからは「あれっ、こいつやっぱり関根の精神攻撃で狂っちゃったのかな」と思い始め、だが後にその正体が(埼玉県警の刑事さんも口にしたようだが)「ただのチンピラ臭」だったのかもしれん、というところに落ち着いてしまい、文章を読むごとに志麻という男から気持ちが離れてしまった。 わかりにくいな。。。 それまで関根という男にしか興味がなく、ネットなどで調べれば調べるほど自分の中に深く入り込んで、ともすれば親しみまで覚えてしまうほど心酔していたんだが、本書を読むことにより、志麻のチンピラ臭が強まるたびに、関根に更に惹かれていくというとんでもな感じに……ってやっぱりわかりにくいな。 とはいえ、あんまり文章が上手いんで、ちょこちょこ調べてみたら、何だかゴーストライターの存在が噂されているようですな。 確かに、これは素人の文章ではないような気がします。文章に長けた人がわざと素人風に書いたという感じ。 特に冒頭~中盤にかけては、果たして共犯者に仕立て上げられた本人が本当にこんな風に客観的に、人を楽しませるような文体でもって描写できるものか、と思わざるを得ないほど上手いです。 普通に読み物として楽しめてしまいます。 どこまで本当か、本当のところは分からないけれど、まあ恐らくほぼ志麻の目に映り、体験したことだと思うので、やはりそう考えると関根の一言一句、所作などのリアリティがウィキなんかで見るより全然違います。博子も然り。当たり前だが。 解体の素早さや異様なところで発揮される潔癖症、それから特に川崎さんを毒殺する過程の異常さ、ヤクザ+あんちゃんこ殺害~解体シーンなど、鳥肌が立ちます。 『冷たい熱帯魚』ででんでん演じる村田や黒沢あすか演じる愛子、エンターテインメントなラストに不完全燃焼だった方なんかにゃまさにオススメです。 今となっては、所々で「通報できたんじゃねえの?」という疑問が生じる箇所で、突然志麻の口調に「おめえらにはわかんねえと思うけどマジ通報とか無理だから通報とか言っちゃうのはトーシロのそれだから俺はそんな次元より遥かに超えたところで地獄を味わったから言えるんだからな!」とでもいうような言い訳が混ざる感じが、当時の裁判の様子とかを鑑みる辺り、そう書くことでの影響を狙ってる感を想像させられて面白かったかな。 余談だけど…… 決して犯罪を許容しているわけでも犯罪者を好意的に思っているわけでもないですが、関根という男はこの世界に名を残した数多の犯罪者の中でも別格の存在で、ちょっとこの人のことは冷静に語れないのが本当のところです。 しかし、それだけ長い間、おいどんの心に住まっていた関根が、園子温の神がかったキャスティング、演出により、完全にでんでんで脳内再生されるようになってしまい、嬉しいやら戸惑うやら! 何が言いたいかってでんでん怖いし 園子温怖い!(本書と全く関係がない……

Posted byブクログ

2011/10/15

ブログ「キース・リチャードになりたい」で紹介されておりそれをきっかけに読む。 実際に起こった「埼玉愛犬家連続殺人事件」の共犯者である山崎永幸の執筆になるノンフィクションだ。 映画《冷たい熱帯魚》のモチーフになったということで評判なのか絶版の本書でアマゾンの中古価格は3500円にな...

ブログ「キース・リチャードになりたい」で紹介されておりそれをきっかけに読む。 実際に起こった「埼玉愛犬家連続殺人事件」の共犯者である山崎永幸の執筆になるノンフィクションだ。 映画《冷たい熱帯魚》のモチーフになったということで評判なのか絶版の本書でアマゾンの中古価格は3500円になっている。 動物の売買を商売にしている関根元の犯罪の顛末を書いているのだが、死体を解体し、骨は燃やし(粉になる)肉の部分は川に流してしまう。死体がないので犯罪を構成しにくい。関根はそのことを「透明にする」と表現する。 悪人モノのもつおぞましさと、それがゆえに目が離せないどきどきの展開だ。この感覚最近もあったなと思ったら「悪の経典」だ。けれどあちらはフィクション。ノンフィクションで悪人モノというのは例が少ないのではなかろうか。 ノンフィクションの欠点もある。文章はかなり達者でゴーストライターが噂されている。たぶんそうだろうといううまさだ。けれど聞き取りであってもいいように思う。 また共犯者の執筆意図というものもあるだろう。殺人を目撃したら告発すればよかったのだが、その勇気が持てない状況であったという論点があるのだろうかなり感情的に書いている。『関根元は、ただの殺し屋じゃない。人間でさえない。奴が地獄に落ちたら、地獄だって扱いに困るだろう。』という調子だ。 執筆者は基本的に中立的立場になるので、性格が伝わってこない。まさに透明な存在である。実際はそういうことはないだろうからどのくらいバイアスがかかっているのか分からない。もしゴーストライターの手になるのなら、ルポライターのような第三者の話にしたほうがよかったのかもしれない。 話はとにかく面白い。犬の売買は値段がないようなものなので詐欺を働きやすいという裏事情や関根元の表の顔、裏の顔やくざとからむ話など本当の話ならではの描写が興味深い。「鬼平犯科帳」が好きといったどうでもいいようなエピソードも本当のことが持つ重みだ。 人間って何だろう。人間性の底辺はどこにあるのだろうと思いを馳せる点でも興味深い本でした。

Posted byブクログ