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レクイエム の商品レビュー

4.6

25件のお客様レビュー

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これはほっと一息つけ…

これはほっと一息つける作品。愛すべき登場人物と、ノスタルジックな雰囲気がたまらない。

文庫OFF

2024/10/28

主人公の「わたし」が暑い夏の昼下がり、リスボンの街を彷徨い歩き、亡くなった友人や恋人、若き日の父親などと出会って生前聞けなかった話をするなど、インド夜想曲と夢の中の夢を足して2で割ったような幻想譚。 作中の名言「優しさって、知らないひとにしてあげられる、最高の贈り物だよね」。…...

主人公の「わたし」が暑い夏の昼下がり、リスボンの街を彷徨い歩き、亡くなった友人や恋人、若き日の父親などと出会って生前聞けなかった話をするなど、インド夜想曲と夢の中の夢を足して2で割ったような幻想譚。 作中の名言「優しさって、知らないひとにしてあげられる、最高の贈り物だよね」。…このように心がけたら、最高の人生が送れそう。 巻末に「本書のなかで食される(あるいは紹介される)料理は次のとおり」とあり、各章で出てきた食べ物を解説するコーナーがありました。夜中の飯テロはやめてほしい。(夜読まなければいいのだけど) 本書を読んでいて、急にドリアが食べたくなったりしました。

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2024/06/11

白昼夢の真っ白な光の中、ポルトガルを彷徨ってる気持ちになりました。 じっとり汗ばむようで不快ではなく、死んでるのか生きているのかわからない人々ばかりで会話もわかるようなわからないような…煙に巻かれ、少し切なくなる。面白かった。。。 すごいハードスケジュール、と思うけど夢の中ならこ...

白昼夢の真っ白な光の中、ポルトガルを彷徨ってる気持ちになりました。 じっとり汗ばむようで不快ではなく、死んでるのか生きているのかわからない人々ばかりで会話もわかるようなわからないような…煙に巻かれ、少し切なくなる。面白かった。。。 すごいハードスケジュール、と思うけど夢の中ならこの移動もへっちゃらだなぁ。 お酒も料理も美味しそう。「魂には、どんな薬もいかさまだよ。魂は腹を満たして癒すものだ」…良い言葉です。また頓に空腹にならないので紙に書いて壁に貼っておこう。 主人公が最後に待ち合わせてるペソア、一時期オススメされてましたが未読だったのを思い出しました。積んでる本あるし読もう。それにしてもポストモダンとは……? 帯状疱疹のイタリア語、「聖アントニウスの炎」って格好良いけど帯状疱疹の辛さが軽くなる訳ではない。 ヒエロニムス・ボスの絵も好きです。

Posted byブクログ

2021/12/29

タブッキに導かれるまま、リスボンの街やその周辺を彷徨った気分。『インド夜想曲』を読んだ時もそうだったが、旅行に行けないけど行きたい気分の時はこれだな、と思った。何だろう、この癒される感じ。

Posted byブクログ

2021/08/05

独特の雰囲気を楽しめた。話を早く追いたいばかりに、料理の説明をザッと読んでしまったのが残念。しっかり読むとそこも面白いのかもしれない。 優しさって、知らないひとにしてあげられる、最高の贈りものだよね、のセリフが好き。

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2020/07/02

死者への想いはきっと人それぞれ。 愛、憎しみ、怒り、喜び、哀しみ。 私はちょっと哀しくなる。 会えたら何を話そうか。 うまく笑えるだろうか。 夢うつつの白昼夢を彷徨いつつ、心の中であなたに「さようなら」を。

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2019/06/08

主人公が1日を通して数多くの人と出会う物語です。その相手は、死者だったり、おそらく生者だったりするのだけれど、私は彼が出会うそのすべての人々に、あるいは場所に、奇妙な懐かしさを覚えました。ポルトガルなんて行ったこともないのに、不思議なことです。昔住んでいた家が取り壊されるのを見る...

主人公が1日を通して数多くの人と出会う物語です。その相手は、死者だったり、おそらく生者だったりするのだけれど、私は彼が出会うそのすべての人々に、あるいは場所に、奇妙な懐かしさを覚えました。ポルトガルなんて行ったこともないのに、不思議なことです。昔住んでいた家が取り壊されるのを見るときのような、少し胸にジクっとくるような懐かしさ。『レクイエム』というこのタイトルのせいかもしれませんが、それだけではないかもしれません。

Posted byブクログ

2019/02/12

イタリア人作家がポルトガル語で書いた小説をイタリア語に訳してそれを日本語に訳したもの。本に出てくる病気が帯状疱疹なのか麦角感染なのか混乱してしまったが、本の内容には特に影響はなかった様には思う。熱気に満ちたリスボンの街を彷徨い歩く話で、食べることや汗をかくことが生を、病や堕胎や自...

イタリア人作家がポルトガル語で書いた小説をイタリア語に訳してそれを日本語に訳したもの。本に出てくる病気が帯状疱疹なのか麦角感染なのか混乱してしまったが、本の内容には特に影響はなかった様には思う。熱気に満ちたリスボンの街を彷徨い歩く話で、食べることや汗をかくことが生を、病や堕胎や自殺が死を直接的に突きつけ、幻覚とともに生と死の境が曖昧になっていっていた。詩情にあふれた無軌道な彷徨に見えて、計算された描写になっていて何度でも読み返したくなる。

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2018/09/02

どの様な書評を書けば良いのか迷う。 ビオラ弾きの知人からお勧めされたもので、著者について全く知らず(今でも知らない)に読み始めた。当然音楽仲間から「レクイエム」と名のついた本なので、何らかの形で音楽に関する本かと思っていたら、何のことはない。音楽とは全く無関係。鎮魂歌なんですね...

どの様な書評を書けば良いのか迷う。 ビオラ弾きの知人からお勧めされたもので、著者について全く知らず(今でも知らない)に読み始めた。当然音楽仲間から「レクイエム」と名のついた本なので、何らかの形で音楽に関する本かと思っていたら、何のことはない。音楽とは全く無関係。鎮魂歌なんですね…死者との対話は、現実なのか夢なのか? ストーリー展開もあっち行ったりこっち行ったり、場面も一応連続的に転換してゆくも、著者の頭の中での思考に連れてかれている読者には何のことかさっぱり分からない。それなのに、何故かしら読み進めたくなるし、読後も読者に非常に強い印象を残し続ける、不思議な本である…

Posted byブクログ

2018/04/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上質な読書体験のできる一冊。 意図的に省かれた物語売りのお話と、イザベルと過ごしたひととき(賭けには勝ったのに・・読みたかった!)が、まるで覚えていない夢の記憶のようで。そして離れの家を灯台守の奥さんにみせてもらうエピソードは、作家にとって本書がどのように位置づけられるのかをあからさまに示しつつ、とても切ない。 It's only a house And its rooftop Is the blue sky No windows nor walls And the days or years pass by... うん、この感覚はもしかしたら知っている気がする。最後の章、「詩人」に甘えているんだよね。ほとんど絡み酒の様相。(笑)  読み終えてため息をついて、だよねえ、と私は思う。月が巨大な「石っころ」と知っていてもなお、月が「月」であることの神秘を失わないことはひたすら乾杯ものだし、月が「中華饅頭」に見えるほど腹ぺこすぎないのは、ただひたすらラッキーなことだと。 そして、今夜の月のかたちを、私も確認したくなる。

Posted byブクログ