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東京大学物語 の商品レビュー

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2011/01/07

「プロムナード東京大学史」と内容面で棲み分けができている。 その本では制度面や歴史の流れの解説に重点を置いている印象があるが、こちらはより教授や学生の生活の様子が描かれている。 「スコラシップ」すなわち奨学金と、「移文」による官庁の業務に直結する分野でのパートタイム大学院生と、寄...

「プロムナード東京大学史」と内容面で棲み分けができている。 その本では制度面や歴史の流れの解説に重点を置いている印象があるが、こちらはより教授や学生の生活の様子が描かれている。 「スコラシップ」すなわち奨学金と、「移文」による官庁の業務に直結する分野でのパートタイム大学院生と、寄付依頼が、既に明治19年に制度として行われつつあったのは、驚きだ。この時期は帝大といえども国費の予算は十分でなく、学生・資金集めに努めていた。 明治期の東大に思いを馳せると、今の東大とはだいぶ様相が異なることが分かるが、今日の国立大運営交付金のような資本の課題も当時からあったことは、認識すべきだと思う。 時代の積み重ねとともに東大も少しずつ変化を求められた。 変化できることも東大なのだと思う。変化せざるを得なかった。 というより、大学は人と同じで変わり続けるものなのだろう。 大学を構成するのは教員と学生と職員という人間と組織・社会だから自明かといえば自明だが。

Posted byブクログ