漠さんの原発なんかいらない の商品レビュー

西尾漠(著者)

2009/10/04

原子力問題をわかりやすく, 2004/10/12

原子力の問題は、難解な部分が多く一般の人には受け入れにくい部分があると思いますが、本書ではわかりやすくコンパクトにまとまっていますので、初心者でも読みやすいと思います
また、原子力は、それ自体の持つ危険性より、それを取り扱う人たちの資質に左右されることもわかります（JCOの事故など）
また、原発関連の仕事をする人は、計画被爆をしている点、これが本当に安全なのか疑問（一般の人の許容レベルの２０倍の量）なのと、しかも計画被爆するのが電力会社の社員ではなく、下請けの労働者だけ、という点が非常に気になりました、また原子力産業全般にモラル低下が起きているという点も不安です
放射性廃棄物も気になります。廃棄物は何百年と管理していかなくてはいけないので、後世の子どもたちに負荷を押し付けている印象です
本書はページ数も少なく内容も平易なので、学生や入門書に良いと思います

なお、私は原子力は中立な立場です（原子力技術は認めるが、原子力産業を取り巻く人々の資質には問題があると考える）が、中立な立場で見ても内容に偏りは少ない本だと思います