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遠藤周作文学全集(5) の商品レビュー

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2013/10/12

おバカさん 「海と毒薬」のすぐあと・・ということですから、まだまだ初期作品なのでしょう。遠藤の底流を彷彿とさせる作品。 今読むと、なんだかばかばかしく、脈絡もあるようで、ないようで。 キリスト教信者にはいい読本なのでしょうか。 それにしても、フランスから船でやってきた青年が日本...

おバカさん 「海と毒薬」のすぐあと・・ということですから、まだまだ初期作品なのでしょう。遠藤の底流を彷彿とさせる作品。 今読むと、なんだかばかばかしく、脈絡もあるようで、ないようで。 キリスト教信者にはいい読本なのでしょうか。 それにしても、フランスから船でやってきた青年が日本で行方不明になってしまう・・・・。 ビザはどうしたんや、滞在許可はどうなんや、不法滞在で放っておくのか・・なんてツッコミはやめときましょう。 わたしが・棄てた・女 ちょっとふざけた表題ですが、元は「さよなら」と題したらしい。 つまり、死ぬ間際に「初めての彼」にさよならを言う。 遠藤らしく「らい病」を扱うが、なかなか取り組むのが難しい対象だ。 遠藤が「おとこ」の心理を描くときは、フラッシュバックのようなデジャブのような感情に囚われるくらいわが身にひきつけられる。 一方「おんな」の心理については、男性が想像する以上の真理は表現していない気もする。 つまり、女については想像でしかない。 イエスはらい病者とも区別なく接した・・・という聖書の話なのだろう。 キリストに関係するもの以外にはあまり共感できる内容でもない。 キリスト教文学というものが確立されているのだろうか。 聖女を描きたかったということだが、果たして成功していたかどうかは疑わしい。

Posted byブクログ