栖十二 の商品レビュー
栖十二 (和書)2010年06月10日 21:05 1999 住まいの図書館出版局 磯崎 新 栖という視点が住宅というものを上手く浮かび上がらせている。 この視点が他の住宅を扱った本より、住宅というものを捉えることにリアル感があり明快であるように感じる。 磯崎新は凄い。
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栖=すみか。 ペンシルバニア駅のトイレで生涯を終え、身元不明者として収容されたルイス・カーン。 地中海で遊泳中に心臓発作を起こし、溺死したル・コルビュジェ。 バロセロナ市内で路面電車にはねられたアントニオ・ガウディ。 恋人の家の外階段で死んだジョセッペ・テラーニ。 ヘル...
栖=すみか。 ペンシルバニア駅のトイレで生涯を終え、身元不明者として収容されたルイス・カーン。 地中海で遊泳中に心臓発作を起こし、溺死したル・コルビュジェ。 バロセロナ市内で路面電車にはねられたアントニオ・ガウディ。 恋人の家の外階段で死んだジョセッペ・テラーニ。 ヘルニアの手術ミスで死亡したジム・スターリング。 偉大な建築家たちの多くが終の栖で大往生することなどできずに、駆け抜けるように死んでいった。 終の栖など見つけられずに。 「終の栖を建築家が自ら考える事、そしてこれを建築することは、いいかえると死場所を設計することでもあります。 こんな芸当のできる建築家はめったにいません。(中略) ついに終の栖を構築できなかった建築家たちが、それでも住宅と呼ばれるものを設計しているけれど、作品としてまとめるなどと気負ったりせずにやったもののなかに、その人の裸の気分がふっとほころびてにじみでる、そんな住宅を十二選んでみました。・・・」 と磯崎新は語る。 決してマスターピースとは言えない十二の住宅のなかに栖を、終の栖をさがす。 そんな本です。
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この人の本は難しいし、つくるけんちくもあまり好みではなかったので敬遠していましたが、ふと買ったこの本は読みやすかったです。エッセイ風住宅論。
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