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フラナリー・オコナー 楽園からの追放 の商品レビュー

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2009/10/04

「少女をテーマとした作品を中心に発表し、高い評価を得ている」という作者の、フラナリー・オコナーへのラブレター。 フラナリー・オコナーをよりよく知るために読むのではなく、フラナリー・オコナーという「永遠の少女めいた作家」(!)を主人公としたメタ・ノンフィクションとして読むとかなり楽...

「少女をテーマとした作品を中心に発表し、高い評価を得ている」という作者の、フラナリー・オコナーへのラブレター。 フラナリー・オコナーをよりよく知るために読むのではなく、フラナリー・オコナーという「永遠の少女めいた作家」(!)を主人公としたメタ・ノンフィクションとして読むとかなり楽しめる。その少女は十二歳で父親を失い(「十二のとき、私はそれ以上年を取らないことにしたのです。」)、父親と同じ死に至る病を得(「私は病気以外のどこにもいたことがありません。病気、それは私の王国です。」)、母親が経営する南部の農場に引きこもり、カトリックの信仰を拠り所にして、人間の悪意に満ちた、皮肉でグロテスクな、そしてどこかユーモラスな小説を書いた。(「この世界では飽きもせずに同じ過ちを繰り返し、告白し、償う以外にはほとんど余地がない。それに過ちを笑い飛ばし、見事な、数知れない道化の出し物を生み出す以外には。」) フラナリー・オコナーの読者よりもむしろ、少女愛好家におすすめしたい本。

Posted byブクログ