のちの思いに の商品レビュー
逝去した辻氏の絶筆。学生時代の思い出、道端で「狼の足跡」を紛失してしまった女子学生リスちゃんとの出会いと結婚、武蔵野での新婚時代、パリ留学時代、そして恩師・森有正、福永武彦を始め、文学者、仏文学者たちと交流、立原道造の詩集と同じタイトルに相応しい、穏やかな幸福感が読後に余韻として...
逝去した辻氏の絶筆。学生時代の思い出、道端で「狼の足跡」を紛失してしまった女子学生リスちゃんとの出会いと結婚、武蔵野での新婚時代、パリ留学時代、そして恩師・森有正、福永武彦を始め、文学者、仏文学者たちと交流、立原道造の詩集と同じタイトルに相応しい、穏やかな幸福感が読後に余韻として残る美しいエッセイ集でした。(日経の日曜版に連載されました)絶筆後に「リスちゃん」こと夫人が書いた後書きも印象に残ります。
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図書館本です。 留学中のエピソードで語られる学問や思索と日常生活の一致や、ドイツの大学で夕食(もちろんビールつき)後にも講義が行われるなど楽しんで学ぶ様子などが記述されています。 われわれの仕事も実は日常生活と密接な関係があります。9時5時という考え方では本当の仕事そして生活は出...
図書館本です。 留学中のエピソードで語られる学問や思索と日常生活の一致や、ドイツの大学で夕食(もちろんビールつき)後にも講義が行われるなど楽しんで学ぶ様子などが記述されています。 われわれの仕事も実は日常生活と密接な関係があります。9時5時という考え方では本当の仕事そして生活は出来ないと改めて思いました。
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●若き日の思い出、学生時代、パリ渡航、軽井沢での生活と、記憶の虚構と現実を交錯させながらつづった筆者の遺作。 ●そうなんでした。 ワシがふらふらと中国をさまよってる間、辻邦生はお亡くなりになっとったのでした。 ううむ。 まあ、歴史文学の作家なんて量産しないし? もともとすごいフ...
●若き日の思い出、学生時代、パリ渡航、軽井沢での生活と、記憶の虚構と現実を交錯させながらつづった筆者の遺作。 ●そうなんでした。 ワシがふらふらと中国をさまよってる間、辻邦生はお亡くなりになっとったのでした。 ううむ。 まあ、歴史文学の作家なんて量産しないし? もともとすごいファンだったわけじゃないし?? お歳もそれなりに召してらっしゃったわけですから、ナンシーショックにくらべれば衝撃はひくかった。とはいえ。 『フーシェ革命暦』はアレで本当に終わりなのかーッ!!? と言うツッコミを入れずにはいられない・・・うう・・・。●辻邦生の世界は、とても静謐で、光りに満ちている。 決して激情に駆られることなく、淡々とした筆致で進められる物語。
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