ワニを抱く夜 の商品レビュー
収録作7篇中「ワニ月夜」を除いた6篇は『白い山』『耳納山交歓』『ルームメイト』からの再録で、何れも近頃読んだばかりだったこともあって、読後の満足感が薄くなってしまったのが一寸残念。 「ワニ月夜」は今一つ掴めない作品だったが、後書きに「どうやら鰐は自分が嫌っていたもののメタファーの...
収録作7篇中「ワニ月夜」を除いた6篇は『白い山』『耳納山交歓』『ルームメイト』からの再録で、何れも近頃読んだばかりだったこともあって、読後の満足感が薄くなってしまったのが一寸残念。 「ワニ月夜」は今一つ掴めない作品だったが、後書きに「どうやら鰐は自分が嫌っていたもののメタファーのようだ」「『ワニ月夜』はそんな気持ちを意識的におもてに出して書いた短編」とあって、どの辺りがそうなんだろうと考えてみると面白い。 後書きは腑に落ちることと意外に感じたことが半々にあって、今まで村田さんの小説しか読んでこなかったけど、エッセイも読んでみようかなと思った。 「ルームメイト」アパートの庭で飼う老いた雌鶏、梅雨の終わりから冬の始まりまでの季節感が効果的で、作品としてまとまりが高い。
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不思議で不気味な世界、どこか夢の中のやりとりのようで狂気じみた美しさを感じた『百のトイレ』『白い山』など印象深く残る作品
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