ローマ人の物語(8) の商品レビュー
1.ガルバ 皇帝らしいことは何一つない、人身の読めない普通のおじいさん。 2.オトー 皇帝の座を巡り内乱が起こる。内乱を収めるためか、自死。 3.ヴィテリウス 権威と権力を持っていたが活用法を知らなかった。内戦に敗れ死亡。 4.帝国の辺境では ローマの内乱を好機と捉え、外乱...
1.ガルバ 皇帝らしいことは何一つない、人身の読めない普通のおじいさん。 2.オトー 皇帝の座を巡り内乱が起こる。内乱を収めるためか、自死。 3.ヴィテリウス 権威と権力を持っていたが活用法を知らなかった。内戦に敗れ死亡。 4.帝国の辺境では ローマの内乱を好機と捉え、外乱が起こる。挙句の果てにガリア帝国まで建設される。結局鎮圧されるが、寛容で迎える。内乱の余波であることを自覚していた、自らの非を認めたが故の行動。 5.ヴェスパシアヌス 庶民的であり、身の丈にあった行動におさえている。皇帝法の成立により、元老院からの承認を得なくても皇帝が成立するようになった。コロッセウム建設。死ぬまでに、平和と秩序の回復とその維持を実現。 6.ティトゥス 有能ではあったが、災難続き(ヴェスヴィオ火山噴火など)に心身がまいったのか、早死。 7.ドミティニアヌス 皇帝統治を積極的に行う。恐怖政治になる。暗殺される。 8.ネルヴァ バランス感覚豊かなジェントルマン。 リスクを排除しようとするほど、リスクに足元を取られる危険も増大する。リスクがあれば緊張感を持つ。
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20210516 ネロ帝の自死によってユリウスクラウディウス朝が崩壊してから、1年間にガルバ、オトー、フラヴィウス3人の皇帝が表れては消える内乱状態となる。 この混乱を収めたヴェスパニアウスはフラヴィウス朝を創設して、ティトゥス、ドミティアヌスへと続いていく。 ・ガルバ、オトー、...
20210516 ネロ帝の自死によってユリウスクラウディウス朝が崩壊してから、1年間にガルバ、オトー、フラヴィウス3人の皇帝が表れては消える内乱状態となる。 この混乱を収めたヴェスパニアウスはフラヴィウス朝を創設して、ティトゥス、ドミティアヌスへと続いていく。 ・ガルバ、オトー、フラヴィウスは皇帝になったあと、何をすれば平和と秩序を維持できるのか、のヴィジョンがなかった。ただ、配下の軍団兵に推挙され、その地位に目がくらんだ近視眼的な行動である。ヴェスパニアウスは、ムキニウスからの協力を取り付けると、フラヴィウス派との軍事対決への対処と、帝国における自分の役割で市民と軍団兵の支持につながるユダヤ戦役の双方に適切に対処する。 ・ヴェスパニアウスとティトゥスは壮年期まで皇帝を意識しなかったため、庶民的で民衆の支持も厚かった。ドミティアヌスは若くして帝位を意識し、告発による元老院のコントロールを公然と行ったことで反感を買った ☆プライドはよい仕事をするための必要条件ではないのかもしれない ・ドミティアヌスの構築した、ラインとドナウの上流地域の防衛線となる、リメスゲルマニクスはその後の皇帝たちも補強を重ね、方針を踏襲している ・ローマ繁栄の理由①インフラへの投資:街道、水道、会堂といった公共建築を地道に作り、補修し続けたことがローマ繁栄が長く続いた理由の一つ ・ローマ繁栄の理由②現実的、質実剛健の精神性:ギリシャ人のように空論をもてあそぶことを嫌い、安全と秩序の維持、食の保証を中心にした福祉の向上に価値観の中心においた ・ローマ繁栄の理由③高い公共心と市民、元老院、属州からのチェック機能:皇帝を始めとした有力者は公共建築を寄付することが求められた。カエサルは高い地位のものは低いものよりも行動が制限されるといい、共和政時代には元老院階級が最も戦争における死者を出した。 ・ローマ繁栄の理由④実力主義:公職を務めるものは属州統治や軍団勤務などの実務経験があることが求められた。実力主義に例外が多く混入すると、いつしかそれらのものが作る独自ルールが生まれるようになる。 実力とはなにか、を明確に定義することが重要
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ネロ帝を自死に追い込んだまではいいが、ネロ帝にはこれはという跡継ぎがいなかった。ということで大混乱、2年の間に3人の皇帝が次々変わる状態に。でその混乱をなんとか収めて再建する話。
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ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。このころのローマはまだ元気です。
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有名どころの皇帝の巻が終わった途端読むペースが落ちたが、読みはじめれば読んだでやはり面白い。 ドミティアヌス帝の孤独に共感。治世後半のティベリウスも同じだが、皇帝としてやっていることはきちんとやっていてもっと評価されるべきなのに非業の最期を遂げる。。。唯一心を許せたのはユリアだっ...
有名どころの皇帝の巻が終わった途端読むペースが落ちたが、読みはじめれば読んだでやはり面白い。 ドミティアヌス帝の孤独に共感。治世後半のティベリウスも同じだが、皇帝としてやっていることはきちんとやっていてもっと評価されるべきなのに非業の最期を遂げる。。。唯一心を許せたのはユリアだったのか…。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1年1冊のシリーズも西暦69年のネロ自死というローマの危機に始まり、軍人皇帝たちそしてヴェスチニアヌスによるフラビウス王朝の開始になりました。あまり知らなかった時代ですが、ボンベイの滅亡、ユダヤの反乱(マサダの砦)などで親しみのある時代でもあります。塩野さんの詳細な研究にはいつも圧倒されます。
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繰り広げられる意味なき争い、無惨な三皇帝の末路。帝国再生のため、時代は「健全な常識人」を求めていた―。皇帝ネロの死にはじまってトライアヌスが登場するまでの三十年たらずの時代を描く。
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文学的な歴史書、というところが面白いのだろうと思う。事実の積み上げではなく、筆者の推測、考えがところどころに色濃く出ていて、読んでいる方も楽しめる。 本書の対象の時代はわかりやすい英雄もいないし、血みどろの内戦もあり、史実の部分は少々読むのがつらい部分もあった。それでも、前世の皇...
文学的な歴史書、というところが面白いのだろうと思う。事実の積み上げではなく、筆者の推測、考えがところどころに色濃く出ていて、読んでいる方も楽しめる。 本書の対象の時代はわかりやすい英雄もいないし、血みどろの内戦もあり、史実の部分は少々読むのがつらい部分もあった。それでも、前世の皇帝のどういう政策を引き継いだかとか、後世の皇帝がどの政策を引き継いだか、あるいは引き継がなかったか、という点から対象者を評価しているところなどはとても面白かった。
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第1巻から読みふけって、すっかりローマのファンになっている身としては、内乱で傷つけ合うローマを見るのはつらい。愚かな皇帝がいると、最初におかしくなってくるのは「信頼感」のようなものなのだろう。 ごたごたしている帝国を落ち着かせたのは「常識」であった、というのがおもしろい。ヴ...
第1巻から読みふけって、すっかりローマのファンになっている身としては、内乱で傷つけ合うローマを見るのはつらい。愚かな皇帝がいると、最初におかしくなってくるのは「信頼感」のようなものなのだろう。 ごたごたしている帝国を落ち着かせたのは「常識」であった、というのがおもしろい。ヴェシパシアヌスの、当たり前のことを当たり前にやっていくことで「信頼感」を取り戻していく動きに、とても共感した。 それにしても、その二人の息子たちも、その後を継いだネルヴァも、それぞれに一生懸命だったと思うのだ。読んでいると、どうも不運だったんだな、と感じてしまう。それと同時に、巨大な権力を持ち、なおかつ幸運に恵まれるというのは、奇跡的なものなんだなと思う。 カエサルとアウグストゥスのリレーは、やっぱりすごかったんだな。 2007/4/18
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2010/03/06 皇帝オトーがわりと好き。 いまが絶頂期ならば、すでに衰退の影が見えているということか。ローマの国家観が滅びてしまったことを惜しんでいるのが伝わってくる。
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