看護婦が見つめた人間が病むということ の商品レビュー
以前、この作者の本を読んだ時は、 何か青臭さが鼻について、 それ以来、読むのを敬遠していた。 だが、ここ最近、 異常な人間達の振る舞いに、 病的な物を感じていた時、 この本の背表紙を図書館で見かけ、 また目を通してみようと思った。 以前のような、 主張の押し付け的なところがす...
以前、この作者の本を読んだ時は、 何か青臭さが鼻について、 それ以来、読むのを敬遠していた。 だが、ここ最近、 異常な人間達の振る舞いに、 病的な物を感じていた時、 この本の背表紙を図書館で見かけ、 また目を通してみようと思った。 以前のような、 主張の押し付け的なところがすっぱりと消え、 異常な行動を取る患者に対しての淡々と、 いやしかし冷たい視線ではなく、 自分自身の成長の糧にと反映させる様な、 むしろ温かみすら感じた文章に驚いた。 『何とかならないか』というような欲求を抱いて読むと、 拍子抜けすると思う。 あくまで作者当人の意見であり、 解決策を述べるhow to物、 人生啓発本でもなんでもないからだ。 とある精神病棟での患者の日常を書いたものだが、 『こういう視線で見ている看護婦も居るのだな』と、 夜通し、医療現場での苦労を語ってもらったような、 そんな読後感を感じた。 ※ 宮子あずさ(みやこ あずさ) 1963年6月30日東京・杉並生まれ。 都立大泉高校卒、明治大学文学部2年中退。 東京厚生年金看護専門学校卒業。 1987年より東京厚生年金病院内科病棟勤務。 1996年より同病院神経科病棟勤務。 2001年より神経科病棟看護師長。 2003年11月より緩和ケア病棟看護師長兼務。 ※ 公式サイト:ほんわか博士生活 http://miyako.life.coocan.jp/ ○ 市立図書館所蔵
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