猿のこしかけ の商品レビュー
幸田文のエッセイ集。再読すると、冒頭からおかしくて笑ってしまいます。 幸田文が父の幸田露伴に頼まれる道場破り。 そして、「猿のこしかけ」というタイトル。ふとしたことで材木屋さんから、猿のこしかけがついている木は使い物にならないという話を聞く。そんな悪い奴だったのか、それを作文の題...
幸田文のエッセイ集。再読すると、冒頭からおかしくて笑ってしまいます。 幸田文が父の幸田露伴に頼まれる道場破り。 そして、「猿のこしかけ」というタイトル。ふとしたことで材木屋さんから、猿のこしかけがついている木は使い物にならないという話を聞く。そんな悪い奴だったのか、それを作文の題にしてしまうなんてと思うのです。 山で迷う話の「晩夏」も面白かったー。 詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120310/1331343810
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読んでいて、心地よくて仕方ない。使われることば、文の調子。。。「はなし」の文というか、話芸を感じさせる、声に出して読みたい気持ちの良さがある。 対象との距離が「冷たい」というほどあるでなしに、しかし程よい突き放し感を覚える。自分自身さえも軽く突き放してみせる。その観察眼からの描写...
読んでいて、心地よくて仕方ない。使われることば、文の調子。。。「はなし」の文というか、話芸を感じさせる、声に出して読みたい気持ちの良さがある。 対象との距離が「冷たい」というほどあるでなしに、しかし程よい突き放し感を覚える。自分自身さえも軽く突き放してみせる。その観察眼からの描写がたまらず、知らぬはずの、だがどこか懐かしくもあるような時代・習俗そのものに興味があるのでなくとも、引き込まれる。たまらない。 観察眼鋭い描写、というのは多くの作家にあれど、恋だの愛だのいわないところが、私が幸田文を好きな理由かもしれない。植木屋のじいさんや近所の浮浪者、そういった市井の人びとへ注がれる眼がいい。「人物」の魅力が、活写される。じいさんやばあさんが好きになる。 少しの湿っ気というか温度の違いを感じるのは、やはり父、そして母に関してのことだろうか。ちらっとそういうところが伺えるのもいい。ははぁ、ここで心が強く動くのだな、と。そういう人なのだな、と。
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この方の作品を何作か読んだことがあるのでこれも借りてみました。 読んでいてこわい人だなあと思いました。恐ろしいとかそういう意味の怖いではなく、情のこわい、と言うか強い、と言うか。なかなか側にいたら大変そうな人だなあと思いましたが書いている文章で思うのとご本人が正面に居て受ける...
この方の作品を何作か読んだことがあるのでこれも借りてみました。 読んでいてこわい人だなあと思いました。恐ろしいとかそういう意味の怖いではなく、情のこわい、と言うか強い、と言うか。なかなか側にいたら大変そうな人だなあと思いましたが書いている文章で思うのとご本人が正面に居て受ける印象は違うかもしれません。 今は消え失せていく言葉や習慣をさみしいと思いつつ、今には今の可愛さ、良さがあるのだと言う一文はやけに沁みました。
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