三匹の猿 の商品レビュー
私立探偵飛鳥井シリー…
私立探偵飛鳥井シリーズ第1弾。ハードボイルドの形を取りながら、現代人が心に抱える心の闇を抉ります。
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私立探偵飛鳥井が依頼…
私立探偵飛鳥井が依頼された父親探し。そしておこる殺人事件。
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私立探偵飛鳥井シリー…
私立探偵飛鳥井シリーズ第一弾。連続少女殺人事件の謎を追います。テーマが家族問題なので当世風の趣向を存分に取り入れながらも、やはり背景に学生運動を置くあたりは笠井ならでは。
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現代ミステリの知的巨人が著した一人称探偵小説。「本格ミステリ+ハードボイルド+社会問題」という離れ業もベテラン笠井氏の手にかかれば一つの小説として成立しますね。 退屈な日々をやり過ごしていた探偵・飛鳥井史郎のもとに、17歳の可憐な少女・田之倉有美が父親探しの依頼に訪れる。飛鳥井...
現代ミステリの知的巨人が著した一人称探偵小説。「本格ミステリ+ハードボイルド+社会問題」という離れ業もベテラン笠井氏の手にかかれば一つの小説として成立しますね。 退屈な日々をやり過ごしていた探偵・飛鳥井史郎のもとに、17歳の可憐な少女・田之倉有美が父親探しの依頼に訪れる。飛鳥井は依頼をを請け負ったが、その有美が失踪。期を同じくして、清里で猟奇的な連続少女殺人事件が発生。少女たちの両親には共通の過去があり因縁と確執が隠されていたが…。 強固に練られた論理性、二転三転するストーリー、見事に回収される伏線。本格ミステリの雛型のような作品でした。主人公の飛鳥井は妻ジュリアと死別して米国から帰国した、中年の探偵。矢吹駆が本質直観で事件を鮮やかに解決していくのとは異なり、飛鳥井の等身大の試行錯誤が描かれます。この人物造形は著者自身を反映しているのでしょうか。気になるところです。 また、家族の形骸化や少女売春といった社会問題にも切り込むのが笠井氏流。ずしりとのしかかるような読後感です。
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『家庭内離婚という奇妙な言葉が、日本を離れているあいだに流行しはじめたようだ。夫婦関係も親子関係も空洞化の極点に達しているのに、なぜか物理的には崩壊することがない。夫と妻、親と子を、なにが、それほどまで執拗に結びつけているのか。 日本人の誰もが、こうした不可解さに胸を逆撫でされ...
『家庭内離婚という奇妙な言葉が、日本を離れているあいだに流行しはじめたようだ。夫婦関係も親子関係も空洞化の極点に達しているのに、なぜか物理的には崩壊することがない。夫と妻、親と子を、なにが、それほどまで執拗に結びつけているのか。 日本人の誰もが、こうした不可解さに胸を逆撫でされ、事件関係の報道に目を通してきたに違いない。アメリカ社会は歴然として病んでいるが、日本社会は見えない部分で、さらにグロテスクに病んでいる。平穏な家庭風景の背後に隠された、異様きわまりない人間関係の病理。』 20年前の作品だけど、素晴らしい。 お得意の社会派推理小説。それにしても、笠井さんは全共闘にこだわるなぁ〜。
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- ネタバレ
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飛鳥井の元を訪れた田之倉有美。自分の父親を探してほしいとの依頼。田之倉有美の母親・千鶴の友人・津田芳枝、江原克子、長谷部雅人をたずねる飛鳥井。飛鳥井を訪ねてきた田之倉千鶴。行方不明になった有美の行方を追う飛鳥井。学生時代に『三匹の猿』という小説で賞をとった中条との関係。連続して発見された女子高生の身元不明の遺体。飛鳥井が長谷部の別荘で発見した女子高生の遺体。長谷部の別荘の隣で閉じ籠る克子の息子・優。
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父親探しを以来して失踪した少女。 探偵飛鳥井、第1弾。 ようやく1作目を読めました! 硬派だなあ。いろいろと。
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私立探偵飛鳥井シリーズの第一作。 ハードボイルド小説金字塔「私立探偵沢崎シリーズ」の想像を絶する遅筆さに大分しんなりしたわたくしに嫁が「これもハードボイルド小説としては有名で結構おもしろいよ」と薦めてくれた本。 ん~・・・悪くはないんです。思考とかがハードボイルド思考ではある...
私立探偵飛鳥井シリーズの第一作。 ハードボイルド小説金字塔「私立探偵沢崎シリーズ」の想像を絶する遅筆さに大分しんなりしたわたくしに嫁が「これもハードボイルド小説としては有名で結構おもしろいよ」と薦めてくれた本。 ん~・・・悪くはないんです。思考とかがハードボイルド思考ではあるんです。どういうものかって言われると答えに窮しますが。 ただ、ハードボイルド探偵に必要な「シニカルな台詞」がないのが残念。そこさえあれば・・・いや僕が個人的に「必要だ!」って一人で言ってるだけですけれどもw
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女子高生コンクリ事件が必要以上に引き合いに出されている。よっぽど衝撃を受けたんだろうな作者。ハードボイルドなんだけど事件の結末は若干2時間ドラマ風味。といったら言い過ぎか。無理があるといえばよいのか。
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ハードボイルドな印象のミステリ。笠井さんにしては(というのも変か?)、癖がなくて読みやすいです。 案外真相簡単じゃない? と思ったのですが。やっぱり甘かったかー。浮かび上がってくる複雑な人間関係には愕然です。そして彼や彼が勘違いだったとはいえ、自分の○を○○してしまうとは……痛い...
ハードボイルドな印象のミステリ。笠井さんにしては(というのも変か?)、癖がなくて読みやすいです。 案外真相簡単じゃない? と思ったのですが。やっぱり甘かったかー。浮かび上がってくる複雑な人間関係には愕然です。そして彼や彼が勘違いだったとはいえ、自分の○を○○してしまうとは……痛い話。 ラストも痛いですが、あまり抵抗なくすらっと読めてしまうのは、これがハードボイルドの味わいなのかな?
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