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新商品開発の着眼発想 の商品レビュー

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2017/09/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

広野先生のお弟子さんと飲み交わす機会に恵まれまして、その時にお勧め頂いた本。新製品を考える際に何を考えなければならないのか。本当に根本的なことなに、まるっと抜け落ちてしまいがちな着眼点を、端的にまとめて頂いている一冊。とくに最後の「自立を商品化する」といった着眼点は、しびれました。自分の足でしっかり立てるように、この本の学びを血肉にしていきたいと思います! 以下、参考になった点。 ・商品コンセプトの根源に迫れ。冷蔵庫は「ものを冷やすもの」と捉えるのではなく「商品の腐敗を防ぐ」→「時間を止める」とまで考えると、タイムコントロールという発想から、熟成発酵機(時を進める)、瞬間冷凍・瞬間解凍(時の停止・解放)といった着想も得られる。 ・お酒の本質は、酔えるということ。つかの間の自己開放、桃源郷。もう一人の自分に出会うためのパスワード。 ・デザインは人間の自然的な身体法則に則っろう。自然のデザインは人にやさしい。足→靴→車。刀→包丁。桶→洗濯機。球体→丸い時計盤。 ・商品はお客様に使われてナンボ。机上の空論でお客様を捉えずに、現場に足を運び、リアルなお客様を肌感しろ。 ・その商品のシンボルを考えよう。シンボルとは、抽象を具体化してくれるもの。語らずとも、そのモノ自体が雄弁に代弁してくれるもの。イケテル自分を自然に演出しうるもの。 ・色彩は深層心理に強い影響を及ぼし、精神をコントロールする。色彩のパワーをしっかり学ばう。 ・辞書を引こう。言葉そのもの自体に、深い意味が隠れている。それを探らない手はない。自転車は自ら転がる車と書くのに、人力だった。ならば本当の自転車を作ろうという着想から原付バイクが生まれた。 ・商品の形そのものを疑おう。なぜチョコは板状の四角なのか?過去に何らかの制約があってその形に留まってしまっているだけ、のことが多い。過去への拘りを捨てよう。今ある常識を疑うだけで、劇的に価値が変わる可能性を探ろう。 ・男性向け、女性向け商品を深く考えてみよう。根源にさかのぼれば、同性との争いに勝ち、異性を射止めDNAを次世代に繋ぐというのが根源的な生理欲求。そのためのお役立ちが出来ているか。 ・技術の固定概念を超える。技術的に出来ないことから目を背けないこと。消費者が求めることを技術的に実現することにこそ、技術開発の価値がある。水で剃る安全カミソリ市場と水を使わない電気シェーバー。技術で出来ないこととお客さまのニーズの論理をすり替えない。 ・地方商品の都市化。心の中に眠る故郷の原風景を感じられるコンセプト。 ・手作り商品の量産化。手作りならではの「独断的かつ恣意的な創意と工夫」を、いかに残しつつ、量産化できるか。 ・長期的に直線的に伸び続けている指標に着目し、そのパラメーターを思い切って大胆に先取りする。 ・商品とは、消費者が自らの目的をもって、代価と交換で手に入れて、満足の出来る価値である。商品が提供する価値と支払う代金が見合うと判断して、はじめて消費者は購入という行動にでる。 ・意味的効用。消費者が商品に求める本質的なモチベーション。①時間(移動や省力化など時間を節約)/②健康(生命維持を基本とし老化や病気から身を守る)/③知性(知的好奇心を満足させ能力向上を実現する)/④技能(スキルを身に付け身体的機能を発展させる)/⑤経済(金銭的に利益を得たり支出を抑制する)/⑥地位(名誉やプライドを認められ満足する)/⑦性差(自分自身の自然な性を順調に維持発展させる)/⑧性愛(性的欲求を満たしエネルギーを活性化させる)/⑨愛情(情操的欲求にこたえて精神を安定させる)/⑩安楽(やすらぎと癒しを与えリラックスさせる)/⑪安全(心身の毀損を防ぎ生活を保護してくれる)/⑫倫理(モラルに訴え公徳心を確認できる)⑬変身(新しい可能性や未知への挑戦に期待する) ・誰にとっても必要と思われる商品は、誰にとっても不可欠とされないもの。ターゲットを絞り込む。 ・生活シーン、WHEN、WHERE、HOWから考える。 ・身体的機能の延長線上で物を開発する。 ・時間のコンセプトの開発。時間の節約、もっと楽しい時間、時間のコントロール、時間の計測、朝昼晩、季節感。 ・自立を商品化。既成の価値観や組織の論理に頼らず、自分の足で立ち、自分の頭で考えること。何をしても許されるが、全ての判断は自らが行い、最終責任を負わなければならない。

Posted byブクログ