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セラピューティック・タッチ の商品レビュー

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2009/10/04

著者は、ニューヨーク大学名誉教授、哲学博士、正看護師。いわゆる手かざし療法を近代的な理論と方法で普遍化することに成功して、米国で、看護師をはじめ医療関係者に普及させた。ニューヨーク大学看護学賞ほかを受賞。仏教徒でもある。 セラピューティック・タッチは「人間は開放系である。病気と...

著者は、ニューヨーク大学名誉教授、哲学博士、正看護師。いわゆる手かざし療法を近代的な理論と方法で普遍化することに成功して、米国で、看護師をはじめ医療関係者に普及させた。ニューヨーク大学看護学賞ほかを受賞。仏教徒でもある。 セラピューティック・タッチは「人間は開放系である。病気とは当人のエネルギー・システムのアンバランスのことである」という立場で、手の平から出るエネルギーを使う癒しの技である。癒し、ヒーリングというと、日本では宗教などと結び付けられることが多く、技法だけを単純に伝えるものが少ないように思う。その点に近づきがたさを感じるが、セラピューティック・タッチにはそれがない。著者は、「四半世紀にわたって、ニューヨーク大学で「看護のフロンティア」という講座をもち、看護学の大学院生たちにセラピューティック・タッチを教えてきた」。その講座を設けるにあたり、「保守的な教授会を納得させるべく、施術中の被験者の血中ヘモグロビン・ヘマトクリット比、脳波変化など、既成の科学の文脈で説明できるかぎりの実験をくりかえし、ついに学部長諮問委員会の承認を得ることに成功した」 。 本書は副題に「あなたにもできる」とあるように、「手を使って癒す方法は人間に共通する普遍的なもの」だという。その効果は幅広いが、「痛みの緩和には驚くほどの効果があり」、がんの末期など「医学から見放された患者にとって……痛みだけでもとってあげられれば、のこされた時間を有効に使うことも可能になる」のは注目すべき点だ。 米国では、補完代替医療を医学教育の過程に取り入れるなど、通常の西洋医学の医療以外にもきちんと目を向けている。カイロプラクティックやオステオパシーなどを行う人も専門の医師の資格を持つ。中国でも、西洋医学と伝統的中医学の両方の医師の資格があるという。日本では、西洋医学以外の選択肢で、きちんと立証されたり、認められていたりするものがあまりに少ないと思う。そういう意味でも、セラピューティック・タッチが、さらに認識や評価を得て、日本でふつうに行われるようになるといいと思う。

Posted byブクログ