ブルーノ・ムナーリ の商品レビュー
表紙が全然違う人のものだと思うのだが(YUKIMASA OKUMURAと僕には見える)、amazonで登録されているらしく、ここにアップ出来ないみたいなのでしょうがないとする。 この本の表紙は重なりながら三つに並んだ「木」という文字。 漢字には当たり前に意味があると思っている僕...
表紙が全然違う人のものだと思うのだが(YUKIMASA OKUMURAと僕には見える)、amazonで登録されているらしく、ここにアップ出来ないみたいなのでしょうがないとする。 この本の表紙は重なりながら三つに並んだ「木」という文字。 漢字には当たり前に意味があると思っている僕なんかは「木」と書かれれば、そこら辺に生えている「名前も知らない木」を想像するのだけれど、一つに意味を持たない西洋文字が当たり前のムナーリはそうではなくて「木」という文字だけを使って、欅や白樺や桜という特定される「木」を他者に想像させるような、幾通りも発想出来るデザインを作りたかったらしい。 彼は「イメージと詩の領域」に入ることが、コミュニケーションを豊かにするもう一つの可能性と示唆していて、なるほどそうだなって思った。 澄んだ発想、驚異の視点というのは、往々にして子供の頃や知らない事に出会った時に起こるものだと私は思う。大人になったら沢山の物事を「知る」経験により頭が堅くなる人がほとんどである。しかし、そのような発想や視点というのは、年齢でも才能でもなくて、単純なる意識の問題ではないだろうか。もちろんそれが無意識に出来る人が才能ある者なのだろうけど。 この本を読んでいると、意識せざるを得ない様々なデザインがある。一つ一つにどういう意味を持たせているのかを考えさせられるのだ。 それは作者の狙いとは違ってもいいと思う。 考えることが大切なのだから。
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