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空中の茱萸 の商品レビュー

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2012/06/29

荒川さんは言葉でジャズをやっている人だ。「空中の茱萸」は言ってみればジャズレコードアルバム。ターンテーブルに乗せ、針を落とし、ジジジと針の擦れる音を響かせながら、定型化とは真逆に、言葉が炒っているポップコーンのように跳びはねていく。 詩集は小説とは違って、より感覚で読むものだけれ...

荒川さんは言葉でジャズをやっている人だ。「空中の茱萸」は言ってみればジャズレコードアルバム。ターンテーブルに乗せ、針を落とし、ジジジと針の擦れる音を響かせながら、定型化とは真逆に、言葉が炒っているポップコーンのように跳びはねていく。 詩集は小説とは違って、より感覚で読むものだけれど、この作品に関してはビンビンに感覚の隙間に入ってきた。ドラムスがフリーに叩きつけられながら、それでも荒川洋治という型に収束していくあたりは、まさにフリージャズの精神そのもの。いや、型を超えて型になる、これは芸術そのものの営みに他ならないか。

Posted byブクログ