属国・日本論 の商品レビュー
佐藤栄作がノーベル平和賞受賞した背景にはそんな理由があったとは。著者は反米でなくてむしろ親米をとりつつ、ゆくゆくは自立できる国家戦略をたてたいと。そのためには国際社会のリアルポリティクスとまずは日本の現状を真摯に知れと。
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ここ10年間は副島氏が書いた本はほとんど読んでいたのですが、この本は、彼の最近の著作に触れてあったもので、図書館で探して読みました。 特に、1985年8月に起きたJAL墜落事故について、以前の著作で述べていたという記述があったので読んでみました。やはり事情があるのでしょうか、...
ここ10年間は副島氏が書いた本はほとんど読んでいたのですが、この本は、彼の最近の著作に触れてあったもので、図書館で探して読みました。 特に、1985年8月に起きたJAL墜落事故について、以前の著作で述べていたという記述があったので読んでみました。やはり事情があるのでしょうか、詳しくは書かれていないようですね。 最近の著作では、事故の原因は、疲労による圧力隔壁の損傷ではなく、米国潜水艦のミサイルの誤射と書いてありました。 14年ほど前に書かれた本ですが、日本がアメリカのいいなりになっている姿がよくわかりました、今は無視されているような気がして少し気がかりです。 以下は気になったポイントです。 ・米朝核合意が成立したので、アメリカは見返りとして北朝鮮に「韓国型軽水炉」をプレゼントをする、韓国型とは言うがアメリカ製である、合計40億ドルのうち、韓国:30億ドル、日本:10億ドルと、その費用分担が米朝で決められた(p27) ・核ミサイル攻撃を宇宙衛星からの情報をキャッチして撃ち落とすシステムであるTMDは、そのシステム自体が核弾道ミサイルと同様の性能が必要である、したがって、米国はドイツと日本には核兵器の保有を認めていることになる(p29) ・日航機墜落事故において、事故現場に最初に向かったのは、在日米空軍横田基地所属のC130輸送機、午後7時20分(墜落は7時ころ)にはその位置を正確に連絡している、1時間後には海兵隊の救援ヘリも到着していた、日本の自衛隊の習志野空挺団ヘリが救援開始したのは、翌朝8時(p39) ・フィリピン政府が基地使用料の値上げ要求(5億ドルを6億ドル)に対して、フィリピン基地の返還をアメリカは行った(p45) ・O157大腸菌を含んだ牛肉はどこからきたのか、感染源を官僚たちは知っているが公表しない、カイワレ大根業者たちは目くらましにされて気の毒(p46) ・NHKのハイビジョンは優れた技術であるが、アメリカとヨーロッパによりつぶされた、日本語で動く和製OS「トロン」もつぶされた(p49) ・米日安保条約は、米フィリピン安保条約とそっくりであり、日本国憲法はフィリピン憲法とそっくり(p54) ・日本軍が「東亜の新秩序」をかかげて南方へ侵攻した時、当時独立国だったのは、中国とタイ王国のみ、他はすべて欧米の植民地、したがって日本がアジア諸国を敵にして戦ったというのは不正確(p56) ・1960年中期に、日本共産党は、はじめはソビエト共産党と、後には中国共産党とも喧嘩別れして、「自主独力路線」に転じた、ソビエトは社会党に絞って友好商社を通じて資金を流した(p76) ・沖縄返還交渉は、翌年71年6月のニクソン訪中の電撃発表の伏線であった、それが米中接近を生んで、それがソ連崩壊につながった(p81) ・日本のシンクタンクは、各種経済計量統計や経済分析やマーケティングリサーチデータは多く持っているが、世界政治思想に立脚した国際的な政治戦略分析はしていない(p118) ・日本の政治家のトップと対応して米日の外交問題を協議しているのは、国務次官補クラスである、彼らが真の相手である(p131) ・日本を開国させたのは米国だが、その後すぐに南北戦争を抱えてしまったので、イギリス主導となった、アーネスト・サトウも重要な3人のうちの一人(p167) ・鳥羽伏見の戦いで勝敗を決したといわれるアームストロング砲(70ポンド砲6門など大砲21門、合計10.8万ドル)は幕府が発注したものであったが、長崎奉行が慶喜追討令が出されて逃げたため、長州藩に横流しされた(p173) ・第二次長州征伐で本当に強かったのは、高杉晋作の奇兵隊よりも、グラバー商会が上海経由で長崎に輸入した鉄砲大砲であった(p193) ・1810年に間宮林蔵が間宮海峡を発見したが、これを「間宮海峡」と命名したのは、シーボルトであった(p213) 2011/7/10作成
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