1999年の梟の城 の商品レビュー
伊賀の忍者の話。 これはハッピーエンドにはならないと思ったけれど、 なってしまった。 どちらかというとハッピーエンドが好きだから、別かまわないけれど。 散々はらはらさせておいて、 この結果はあまりにもあっさりというかんじ。 でも決してこれが不満なわけではない。 ハ...
伊賀の忍者の話。 これはハッピーエンドにはならないと思ったけれど、 なってしまった。 どちらかというとハッピーエンドが好きだから、別かまわないけれど。 散々はらはらさせておいて、 この結果はあまりにもあっさりというかんじ。 でも決してこれが不満なわけではない。 ハリウッド映画はこれでもか!と盛り上げて、 興奮したままラストを迎える。 もちろん海外の小説も。 これは現代日本小説も同じだと思う。 でも江戸時代の小説はそうは行かない。 司馬遼太郎にしろ、藤沢周平にしろ、 彼らが書いたのは、盛り上がるドラマチックな小説ではなくて、 妙に寂しさが残る、どっちかというとすっきりしない小説だ。 つまり、 人間の世の中の無情さや、やりきれなさ、 そういった中での人々の葛藤などを描く。 小説は自分と関係のない世界ではなくて、 小説は人間をあらわすものだった。 そういう時代があったんだなぁ。
Posted by
- 1