順列都市(上) の商品レビュー
人間の精神をスキャンしてデジタルの世界に送り込むことが可能になった世界。ある画期的な理論を考案した主人公(?)がデジタルに住まう「コピー」たちに、文字通りの永遠の存在を約束する話が前半のメイン。 コピーたちはハードウェアの制約で現実の17分の1の速さでしか活動できなかったりする...
人間の精神をスキャンしてデジタルの世界に送り込むことが可能になった世界。ある画期的な理論を考案した主人公(?)がデジタルに住まう「コピー」たちに、文字通りの永遠の存在を約束する話が前半のメイン。 コピーたちはハードウェアの制約で現実の17分の1の速さでしか活動できなかったりするのが面白いですが、コピーの人権を認めない法律が成立しようとしていたりで、存在としての基盤が揺らいでいるのを背景に話が展開していきます。 後半は、ある理由があって「…そして7000年後」 アイディアの核はなんとも説明しがたい「塵理論」とセル・オートマトンモデル生命なんですが、この二つが結びついたとき主観的宇宙論の本作におけるアプローチが理解できると言う構図。なんと言っても塵理論の片鱗でも分かったつもりにならないと面白くないわけですが、話が綺麗にできているから、SFの素養がある人で、あんまり突き詰めて考えない人はイーガンの長編だったらこれがとっつきやすいような気がします。 ベースの世界観(というか基本設定)はディアスポラや他の短編とも一緒のように見えるので、ディアスポラを読む前に世界をイメージするのにはよいかも。
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被検体の時間をスライスしてシャッフルしてシミュレートするってことは未来を予測する処理が必要だと思うけど、その結果が対照標準と一致することはありえない気がする。
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最近、グレッグ・イーガンという作家を勧められたので読んでいます。 ボキャブラリーの少ない私がこの順列都市の話を大雑把に言うと、クゼの描いている世界で起こりうることとしか(また、攻殻とかは言わないで・・)
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