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人間の悲惨な境遇について の商品レビュー

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2017/11/23
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本書は、三部からなり、各巻で人間本性の悲惨さ・邪悪さが徹底的に描写されている。第一部では、人間の脆弱さとその生涯の不幸が様々な角度から指摘されている。第二部では、人間の悪徳が(富・快楽・名誉への欲望を中心に)痛烈に批判されている。第三部では、そうした悪徳や罪を犯した人間が死後にいかに過酷な状況に陥るかが論じられている。 セニ(後のインノケンティウス三世)は本書で、聖書をふんだんに引用しつつ、人間の傲慢さを徹底して戒めている。おそらく教会改革の促進を強く意識していたのであろう。ただし、彼は序文で、謙虚な人が称賛されるために人間の尊厳を別の書で論じると予告していることにも留意しておかねばならない。

Posted byブクログ