プライバシー・クライシス の商品レビュー
今日の情報技術、監視…
今日の情報技術、監視技術の進歩により破壊される人々のプライバシーについて言及。多くの人が抱えている漠然とした不安を具象化することに見事に成功している。
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(2003.07.28読了)(2003.03.06購入) (「BOOK」データベースより)amazon 国民一人一人にICカードを携行させ、生活のすべてをコンピュータで一元管理しようとの政府計画が、密かにすすめられている。いま甦る国民総背番号制度の悪夢。その後の技術の発展が自動改...
(2003.07.28読了)(2003.03.06購入) (「BOOK」データベースより)amazon 国民一人一人にICカードを携行させ、生活のすべてをコンピュータで一元管理しようとの政府計画が、密かにすすめられている。いま甦る国民総背番号制度の悪夢。その後の技術の発展が自動改札定期券、預金通帳、病院カルテなどの統合・集約を可能にしつつあるのだ。しかも若年層を中心に、管理されることに慣れきった人びと―。人間の尊厳を守るために、いま何を知り、何をなすべきなのか。 ☆関連図書(既読) 「あなたの個人情報が危ない!」櫻井よしこ著、小学館文庫、2002.11.01
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[ 内容 ] 国民一人一人にICカードを携行させ、生活のすべてをコンピュータで一元管理しようとの政府計画が、密かにすすめられている。 いま甦る国民総背番号制度の悪夢。 その後の技術の発展が自動改札定期券、預金通帳、病院カルテなどの統合・集約を可能にしつつあるのだ。 しかも若年層を中心に、管理されることに慣れきった人びと―。 人間の尊厳を守るために、いま何を知り、何をなすべきなのか。 [ 目次 ] 第1章 再び浮上した納税者番号 第2章 住基ネットワークという網 第3章 なぜ国民総背番号なのか 第4章 人間を市場と見なす価値観 第5章 技術が人間を追いつめる 第6章 人間が人間であるために [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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3冊目です。 コンビニで「お支払いはどうします?」、「Edyで」。すると「シャリ〜ン」という音とともにお金が支払われるー こんな光景も日常茶飯事となりました。また駅などでもsuicaなどのカードをかざすだけで電車に乗れたり、携帯でも 買い物ができたりとこのような例は私たちの周り...
3冊目です。 コンビニで「お支払いはどうします?」、「Edyで」。すると「シャリ〜ン」という音とともにお金が支払われるー こんな光景も日常茶飯事となりました。また駅などでもsuicaなどのカードをかざすだけで電車に乗れたり、携帯でも 買い物ができたりとこのような例は私たちの周りにいくらでもあります。こういうのを見ると本当世の中便利になったな〜 と感じます。いったい誰がこんなに便利な世の中になると予測できたでしょうか。 こういった光景の一方でなんか変だな?と思うことも増えています。たとえば自分の家の郵便ポストに見知らぬところから ダイレクトメールが送られてきたり、まったく知らない会社から電話が来たり自分の住所を教えたつもりがないところから 連絡が来るという経験はみなさん誰でもあると思います。 一見つながりのなさそうな2つの出来事ですが実は裏でつながっているとしたら・・・そんなことを教えてくれるのが 本書「プライバシークライシス」です。上の例では住所がばれる程度の被害で収まっていますがEdyなどではどんなもの を買ったかという情報も記憶されることになります。つまり、その人がどんな消費嗜好をもっているかどんな趣味を持っているか ということまでわかってしまうわけです。また、suicaなどもその人がいつ何時にどこへどのような手段で行ったのか、そんなことまで わかってしまいます。問題はそれだけではありません。例えばもし将来的に警視庁などが犯罪歴などの情報を共有できるシステムを作った らどうなるでしょうか。そして、上のEdyなどとの情報を統合したシステムをつくりあげたらどうなるでしょうか。すると、 一つのシステムの中にその人の住所、年齢、家族構成、学歴、趣味嗜好、過去の行動履歴、犯罪歴など主要な情報がすべて含まれることに なります(これらの情報以上にさまざまな情報を入れることも可能です。たとえば病歴など。実際に医療界では個人の病歴を共有するような システムを作ろうとしているようです)。このようなものができることにそれほど抵抗を感じない人もいるかもしれません。実際一つの カードだけで自分のすべての情報を相手に知らせるのは便利ですし、さまざまな手間も省けます(もしかしたら将来的に自分のすべての情報を 含んだカードの読み取り機ができそれをかざすだけで相手のすべてがわかってしまうものができたら人と会話をする手間も省けるかもしれません)。 ですが多くの人はやはり拒否感を示すでしょう。自分自身ではそんなにたくさんの情報を教えたつもりもないのにいつの間にかばれてしまっている、 というのはやはり気持ちよくありません。自分について知られるということは自分の弱点をさらすことになりますし、もし変な性癖とかあったらそれだけでさまざまな脅しに使われるかもしれません。さらに、もしこれが国の手に渡ったらまさに監視社会なるものになってしまいます。 ではどうやったらこの問題を解決できるのか。それは情報の漏えいを防ぐようにすることしかなさそうです。とはいっても日々ニュースで 見るように企業等の情報漏えいは後を絶ちません。ではIDカードの開発をやめろといっても、このように技術が進歩するのは止めようのないことですからこれもどうしようもないことです。結局解決策はないのかもしれません。
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