ピリオド の商品レビュー
購入済み。 2024.08.17.読了 乃南アサは大好きな作家さんなのでほとんど逃さず読んできたつもりだったが、本作はノーマークだった。 もしや既読作品か?と思いながら購入したが、初見だった。1999年刊行。古さは全く感じない。 とてもおもしろかった。人は人生の中でいくつものピ...
購入済み。 2024.08.17.読了 乃南アサは大好きな作家さんなのでほとんど逃さず読んできたつもりだったが、本作はノーマークだった。 もしや既読作品か?と思いながら購入したが、初見だった。1999年刊行。古さは全く感じない。 とてもおもしろかった。人は人生の中でいくつものピリオドを打ちながら前に進んでゆく。先に進むしかないから振り返りたくなる。肉親、友人、愛人、故郷、仕事、人の生き死に、犯罪、いろいろな要素をはらんだストーリーにいつのまにか呑み込まれてあっという間に読了。 パリ五輪、高校野球、読書、と忙しい日々の中で 。
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※このレビューにはネタバレを含みます
フリーのカメラマン宇津木葉子、バツイチ、40歳の独身。兄の子供に振り回され、不倫相手である杉浦の妻が殺されて…。葉子の日々の様々なことにピリオドを打たされたり、打ったりしながら過ごす人生心情を非常に丁寧に淡々と描くミステリではない作品、主人公自身がファインダーから日々の日常をのぞきみるような……生活の中で起こる事件と、その事件により様々に変化していく心情を淡々と追った物語。。 紹介文より・・・ どこかに帰りたいと思う気分、帰りたいと望む心を描いてみたかった。 多くの人の人生には、とりたてて何が起こるというわけではないと思う。それでも、かけがえのないときは流れ、人は自分の人生にいくつかのピリオドを打ちながら進んでいく。進むしかないからこそ、振り返りたくなるのだと思う。ちょうど雪原をさまよいながら、時折、振り返って自分の足跡を眺めるように。(乃南アサ)
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なんの知識もないまま、なんとなく手に取ってみた。 出だしから、ちょっとサスペンスタッチな本なのかと思ったけど、 実はそうでは無かった。。。 死が1つのピリオドになってる。 主人公の人生の中に。登場人物たちの中に。 家族は1つなようで、やっぱりそれぞれが思い悩み、 何...
なんの知識もないまま、なんとなく手に取ってみた。 出だしから、ちょっとサスペンスタッチな本なのかと思ったけど、 実はそうでは無かった。。。 死が1つのピリオドになってる。 主人公の人生の中に。登場人物たちの中に。 家族は1つなようで、やっぱりそれぞれが思い悩み、 何かから逃げ出そうと必死なのだ。新しい世界に行きたいと必死なのだ。 リアルな感情が身につまされました。
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「静かな物語」とされているとおり、有り体に言えば地味なお話。派手な事件が起こるわけでもなく、微妙ないざこざを抱えつつ物語は淡々と進む。ラストもインパクトのあるものでは決してない。……なのに印象は妙に残ってしまう作品。「ピリオド」の意味も重い。 廃屋の描写がやたら寒々しく、淋しくて...
「静かな物語」とされているとおり、有り体に言えば地味なお話。派手な事件が起こるわけでもなく、微妙ないざこざを抱えつつ物語は淡々と進む。ラストもインパクトのあるものでは決してない。……なのに印象は妙に残ってしまう作品。「ピリオド」の意味も重い。 廃屋の描写がやたら寒々しく、淋しくて恐ろしい。情景が目に浮かぶものなあ。この部分が一番の読みどころだったかも。
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どこでまとまるだろう、と、思いながら読んでました。が、うーーん、最後が「ああ、そうなってしまうのね。」「やっぱり、女性の作家かな」と思う最後でした。女性の再生?物語です。
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丁寧な描写が情景を思い描かせる。でもちょっと長いかな〜!物語自体も全体的に静かなトーンだし、間延びした印象がありましたね。 宇津木葉子は叔母としてもひとりの女性としてもカッコいい女性だと思う。こんな叔母ちゃんがいたらきっと憧れるだろう。 外壁の抉れた家が象徴するもののイメージが何...
丁寧な描写が情景を思い描かせる。でもちょっと長いかな〜!物語自体も全体的に静かなトーンだし、間延びした印象がありましたね。 宇津木葉子は叔母としてもひとりの女性としてもカッコいい女性だと思う。こんな叔母ちゃんがいたらきっと憧れるだろう。 外壁の抉れた家が象徴するもののイメージが何度も、とても強く描かれている割に、人の死はわりと淡々としていて・・でもそういう心の動きに実にリアリティがあった。 読後、郷愁を誘われるというか、ああ、たまには故郷に帰らなきゃなぁと思った。
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乃南アサさんの作品にしては、モチャモチャモチャモチャする(テンポがよくない)なあ・・と思った。杉浦が全然魅力的じゃないし、(だから、葉子が「愛」でなく「さみしさ」で一緒にいたってことがよく分かるんだけど)なんだか、殺人はいらないなあ・・って。 でも、葉子が彰彦や理菜との生活に慣れ...
乃南アサさんの作品にしては、モチャモチャモチャモチャする(テンポがよくない)なあ・・と思った。杉浦が全然魅力的じゃないし、(だから、葉子が「愛」でなく「さみしさ」で一緒にいたってことがよく分かるんだけど)なんだか、殺人はいらないなあ・・って。 でも、葉子が彰彦や理菜との生活に慣れて手放したくなくなるのは、独身一人暮らしとして、すっごくわかる。ストーリーそっちのけで、葉子が「家族」を求める姿を追うのは面白かった。わたしも昔の家がそんなことになってたら…横暴だと思って嫌ってた父がそんなことになってたら・・・とか思うと、悲しかった。昔の家を訪ねるあたりは、乃南さんの小説の転―起承転結の部分によく漂う雰囲気が出てた。ゆっくり、大切なことが少しずつわかる、、みたいな。 理菜が救われることを祈る。 「離婚して一人暮らしを続けるフリーカメラマン宇津木葉子のもとに、大学受験を迎えた甥の彰彦とその妹理菜がころがりこんできた。そんな時、不倫相手である杉浦の妻が殺されて…。日常に倦んだ心のカタルシスになる静かな物語。 」
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09.26.08読了。乃南 アサのミステリーではない本を初めて読んだ。主人公は40歳でバツ一で二度の流産経験者の宇津木葉子。フリーのカメラマンで家庭のある男性と付き合ってる。同級生だった志乃と実の兄が結婚してあり、二人の子供がいる。両親はすでに他界している。兄も末期の癌に侵されて...
09.26.08読了。乃南 アサのミステリーではない本を初めて読んだ。主人公は40歳でバツ一で二度の流産経験者の宇津木葉子。フリーのカメラマンで家庭のある男性と付き合ってる。同級生だった志乃と実の兄が結婚してあり、二人の子供がいる。両親はすでに他界している。兄も末期の癌に侵されており余命いくば、看病疲れした志乃、甥と姪、そして不倫相手の杉浦とくりだす物語。気難しくていつも怒鳴り散らしてる兄に、甥の大学受験であったり、姪の思春期で多感期であったり、志乃の家庭での不満であったり、そして恋人の妻の殺人に不可解な恋人の自殺。おもしろかった。
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○2008/06/09 読み始めは、女性作家にしては珍しい感じで淡々と書くなぁと思ったけど、読み進めるにつれてそんなことはなかった。全体の雰囲気は梅雨っぽいじめじめした感じ。 やけに不倫が多いなーというくらいで、ほとんどどこにでもありそうな日常のストーリーを表してるな、と。ちょ...
○2008/06/09 読み始めは、女性作家にしては珍しい感じで淡々と書くなぁと思ったけど、読み進めるにつれてそんなことはなかった。全体の雰囲気は梅雨っぽいじめじめした感じ。 やけに不倫が多いなーというくらいで、ほとんどどこにでもありそうな日常のストーリーを表してるな、と。ちょっとだらっと長いと感じる部分もあったはあったけど、描写が細かくて丁寧だったと思う。 1人の女性の数ヶ月間の話だと思うと少し長いかなという気はするけど、比較的何を考えるでもなく自然に読めた。少し冷めてたりするけど、なんだかんだで優しい叔母な葉子がいい。 志乃とか、女性の描写がすごくリアルで、こういうのはやっぱり女性独特の書き方があるのかな。 ピリオドというタイトルがあぁなるほど、と思った。
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40才 バツ1・葉子の日常にふりかかっていく出来事(仕事・兄の病気・兄家族との関係・愛人)を丁寧に描写している。頭に状況が浮かび、読んでいてドラマを見ているようでした
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