日本の近代(4) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
英国が衰退か?と心配していた約100年前から日本は日露戦争、第1次世界大戦の戦後を迎え、いわゆる大正デモクラシーと言われた時代ですが、この本には大正デモクラシーという言葉は全く登場しません。後の時代のネーミングとのことで、この時代もやはり激動の時代だったことが分かります。明治が良くて、昭和がどうして悪くなったのかということではなくて、連綿と続く流れの中で、昭和の敗戦に繋がるものを示しています。
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本書で読む「日露戦後」は、どうも現在思われているような一直線の大陸侵攻政策があったのではなく、様々な動きがあったようであることが本書でわかるが、知れば知るほどわかりにくい。 本書で描かれる「1905年~1924年」が、1930年代以降から1945年の敗戦にいたる「大日本帝国」...
本書で読む「日露戦後」は、どうも現在思われているような一直線の大陸侵攻政策があったのではなく、様々な動きがあったようであることが本書でわかるが、知れば知るほどわかりにくい。 本書で描かれる「1905年~1924年」が、1930年代以降から1945年の敗戦にいたる「大日本帝国」を準備したのだろうと思うが、「帝国日本の模索」や「帝国日本のナショナリティー」を読んで、この時代におこった出来事や局面はわかっても、それをどう捉えたらよいのかがよくわからない思いがした。 そもそも、1945年の大破局の原因はどこから始まったのかが全くわからない。 しかし、本書で読む「アジア主義」とは、現在一般に思われている右翼的視点のみではない概念であったことらしいことや、様々な「国内改造」運動や「日本農民組合」が大きな力を持っていた実態を知ることができたことは、新しい知見が得られた思いがした。 歴史を簡単に決め付けることはもちろん言外であるが、事実を取り上げるだけではなく、いくつかの視点も同時に提示してくれなければ、歴史の流れを評価することはできないと思う。本書は、その点が物足りないのではないだろうか。これだけの大著でありながら、残念な本であると思う。
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