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テクストのモダン都市 の商品レビュー

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2018/11/04

1999年刊。1920~1930年代の東京における都市のモダニティを「郊外住宅/アパート」「電車/円タク/地下鉄」「デパート」「カフェー」「放送局」「競技場」「ダンスホール」というトポスをキーとして、小説やエッセイ、詩、短歌といった文学テクストによって織り成された言語都市と感応さ...

1999年刊。1920~1930年代の東京における都市のモダニティを「郊外住宅/アパート」「電車/円タク/地下鉄」「デパート」「カフェー」「放送局」「競技場」「ダンスホール」というトポスをキーとして、小説やエッセイ、詩、短歌といった文学テクストによって織り成された言語都市と感応させながらガイドしていく。 文学者、芸術家と馴染み深かったと聞くカフェーについての章が、読んでいて煌煌しく感じられた。 多分意図した構成なのだと思うが、後半に付置された「放送局」「競技場」「ダンスホール」とも、20年代から30年代前半にかけ発展し活況を呈しながら、30年代後半に向かって総力戦体制へと集束していく時局の中で、国策に絡め取られ或いは相応しくないものとして終息させられていく姿は、寂しく哀しいものがあった。 なお、現代の古書目録について記した終章が個人的に一番面白かったのは、何だか申し訳ない気分になった。

Posted byブクログ