越境する貨幣 の商品レビュー
ブックレビュー社 12〜16世紀に日本で使われた貨幣は中国で作られ越境してきた。東南アの貨幣の歴史的価値や背景を探る 中世日本の貨幣,中国産銅銭は東南アジアでも使われていた。いかに日本で中国産銅銭が信用を得たか,また中国及び東南アジアといかなる経済交流をしていたのか。日本近世の金...
ブックレビュー社 12〜16世紀に日本で使われた貨幣は中国で作られ越境してきた。東南アの貨幣の歴史的価値や背景を探る 中世日本の貨幣,中国産銅銭は東南アジアでも使われていた。いかに日本で中国産銅銭が信用を得たか,また中国及び東南アジアといかなる経済交流をしていたのか。日本近世の金・銀・銅銭の3貨体制や石高制の確立へ至るまでの前近代的日本の通貨制度や税制の変動についても,東南アジアの経済変動という視点から把握できる。これらの問題を8つの論文で多角的に取り上げている。日本で貨幣は他国との流通を簡素にするために取り入れられたが,中世後期に雑多な銭が横行し,渡来銅銭の使用が禁止され,米を基準とする石高制に移行された。しかし,禁止されても国民が利用した背景にはその信頼性や使いやすさがあったと指摘している。 また,中国では貨幣を規制し,国家統制を敷いたが,自由経済を阻まなかった。その中国の脅威から自国を守るため,朝鮮は独自の財政思想を生み出した。その他,出土した銭の調査,そして銭を埋めるという行為の分析など,既存の歴史的枠組みまでも「越境」する本書はさまざまな試みを示し,興味深い。 (ブックレビュー社) (Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.) 「BOOK」データベースより 歴史のなかの貨幣のさまざまな機能・役割を東アジア地域を視野に収めながら、前近代日本・朝鮮・中国の貨幣制度、国家組織など多元的な視角から追究。シリーズ第1弾。 「MARC」データベースより 歴史の中の貨幣のさまざまな機能・役割を東アジア地域を視野に収めながら、前近代日本・朝鮮・中国の貨幣制度、国家組織など多元的な視角から追究する。歴史学の最先端のテーマに多彩な視点から挑むシリーズ第1弾。
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