1961ケネディの戦争 の商品レビュー
JFKは、"Politician"よりは"Statesman"という表現が似合う存在、とされている。 しかし本著においては、ヴェトナムへの武力介入に傾斜していく姿を”愚行”という言葉を底意に保ちつつも、事実を丹念に積み重ねた665ページ...
JFKは、"Politician"よりは"Statesman"という表現が似合う存在、とされている。 しかし本著においては、ヴェトナムへの武力介入に傾斜していく姿を”愚行”という言葉を底意に保ちつつも、事実を丹念に積み重ねた665ページ(+巻末資料105ページ)の大著である。 JFKが持つ華やかさと、その突然の死と相俟って、好意的な見方を持つ人が大半である中、多くの歴史家やジャーナリストは、むしろ”厳しい”見方をJFKに対して持っている(デイビッド・ハルバースタムなどもそうだ)のだが、その理由を、本著の息苦しくなるほどの事実と考察から見出すことは、さほど難しいことではない。 一見、手に取りづらく、分厚い本にたじろいでしまうが、思いのほか読み進んでしまう好著だ。
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