普通の子どもたちの崩壊 の商品レビュー
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1999年刊。著者は「プロ教師の会」主宰。 80年代までの校内暴力など所謂「ワル」による荒れとは異質な、「普通」の生徒たちによる学級崩壊現象。 ある公立中学校の学年一年を粗描することで、これまでの「非行」とは異質の現象の実態を明らかにしようとする書である。 ここでは、例えば、将来のモンスターペアレンツの問題の萌芽、学級崩壊やクラブ活動の問題が描かれる。その具体相から、いわゆる酒鬼薔薇聖斗事件に端的に代表される一五世代とその家族の変容、学校を支えてきた地域共同体と教師の権威が崩壊し、結果、学校が被った影響を明らかにしていく。 しかし、本書で書かれている内容は、もう今更の感が強い。時代相が逆回転するとは到底思えないし、そのような方向性へ舵を切っても不毛な努力が延々と続くだけと考えられるところである。 そういう意味では、確かに、本書刊行時、つまり前世紀後半にはセンセーショナルな問題提起であったと言えそうだが、今となってはさほどの驚きはない。
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