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飛鳥昭雄 ロマン・サイエンスの世界 の商品レビュー

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2023/09/09

大伴昌司の辺へオマージュをささげる著者が、実は末日聖徒イエス・キリスト教会の教義をまあ一応柱に、大伴御大のオカルト体系を斬る。あとインタヴューとか、ウェブサイトの掲示板のナニとか、飛鳥先生の仕事が(対談する本で、先生も参加してゐるだけのとか、先生が監修してゐる本などが先生の著書と...

大伴昌司の辺へオマージュをささげる著者が、実は末日聖徒イエス・キリスト教会の教義をまあ一応柱に、大伴御大のオカルト体系を斬る。あとインタヴューとか、ウェブサイトの掲示板のナニとか、飛鳥先生の仕事が(対談する本で、先生も参加してゐるだけのとか、先生が監修してゐる本などが先生の著書と雑多に)収録されてゐて一応便利。  本著では一応「布教はしない」といふスタンスを持ってゐると書いてある。  矛盾、破たんの塊なのだが、「世の中にはチャンスとか近道があって、梶原一騎やブルース・リーは典型だけどそれをつかんだので」と言ふ、恐らく邪教である指摘は出ないしカッバーラでもマルチ商法は「死の樹」へ至るといひはれるっぽい。  本書によれば二千年問題が大変で、何かが起こると言ふ。  なんか徹底的に、入手可能な資料に書いてあるのを引用する際原著の「モルモン教徒」の箇所を「○○○○教徒」とし、飛鳥先生が所属する「某イエス・キリスト教会」から出た人がいちゃもん付けたとか言ひ、「息子はクリスチャンなので」禁酒禁煙だと言ひ、それを「やってるからあれだけになった」「ギルバートやデリカット」が「TVで宣教をしない」点を挙げて褒める。  が、自身の作品のデータソースについて「僕の所属している教会の」ものは公表してゐるさうである。さうなのか。どっかに「モルモン経」とか書いてあるらしい。私の持ってるのにはないが。 トンデモ ノストラダムス本の世界 など、その辺に入手可能な状態で売ってる批判本の指摘へ、大体的を外した反論をしてゐる。 ミシェル・ド・ノストラダムスの未来記 の著者モーゼス・ベンヨハイ=飛鳥昭雄説に「白人系ユダヤ人=偽、アジア系ユダヤ人=真」の説と思うがと言ひ、その辺は解決済みと反論する。あと「摂動」は斉一論を粉砕した飛鳥説の浸透とか言ひ張れると思ふけどこっちも無視してゐる。  その中の「マンガの構成が悪い」と言ふのへ 「大友克洋の構成も悪いが如何!」 「マンガはアンバランスでも成立するメディアである!私の作品がカッバーラを伝えるものとして正常に機能しかなり流通している以上、ほかのすべての点は稚拙でもいいわけだが如何!」とか、あ 「山本氏は「un grand Roi d'effrayeur」の拙訳「驚愕の大王」をほぼ正しい訳とほめる同じ口で、やれあれはエリカチータムの、やれあれは川尻徹の、と言っている」 とか言はない。 著者は宮崎駿さんがお好きださうであるが、後に「風立ちぬ」で伝道の書から引用したりするものの彼はキリスト教そのものは口汚く罵ってるのである。大変複雑である。  ほかの著書で、日蓮宗を獣の教義だと言ってゐた筈の著者は本書で、宮沢賢治をほめまくる。でも本書で振り回される「銀河鉄道の夜」の中のアレがキリスト教的なので別に矛盾ではない。「宮沢賢治=クリスチャンもイデオロギー的に心酔するので大問題説」があるので大変興味深い。

Posted byブクログ