歴史をいかに学ぶか の商品レビュー
初めて読んだ
私にとっては最近ブルクハルトを知って初めて読んだ本である。歴史を学ぶことは各人に人生観と世界観を獲得する可能性を与え、人を幸福にする何ものかがあると述べられている。ブルクハルトは19世紀の人であるが20世紀を予見したとも言われる。著者は冷戦終結後の現在の世界、現在の混沌とした将来...
私にとっては最近ブルクハルトを知って初めて読んだ本である。歴史を学ぶことは各人に人生観と世界観を獲得する可能性を与え、人を幸福にする何ものかがあると述べられている。ブルクハルトは19世紀の人であるが20世紀を予見したとも言われる。著者は冷戦終結後の現在の世界、現在の混沌とした将来に希望の持てない世界を歴史の危機と述べる。物質的幸福のみを追求出来なくなった現在、未来を生きるのに示唆の富む内容で有る。言い回しが若干難解な所が有るが丹念に読めば理解出来る。
岡 博文
フォン・ランケ,マイ…
フォン・ランケ,マイネッケと並び称されるスイスの大歴史家ブルクハルトの歴史学に現代を生きる指針を求める.そのような関心で読むには面白い本ですが,ブルクハルトの歴史学・文化史学そのものに関心がある読者にはあまり向かないかもしれません.
文庫OFF
近代的進歩史観をブルクハルトを手がかりとして批判している。歴史記述の有り様を主題にしているところが興味深い。
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本題のブルクハルトに入るまでの「歴史観の歴史」が面白い。曰く進歩史観、循環史観など。 私はこの本で初めて、ブルクハルトの言葉に触れたが、その孤高ぶり、曖昧さを認める気質、バランス感覚など、惹かれるものがある。 現代日本の描写では、いささか筆が滑っている。 しかし、おおむね今と...
本題のブルクハルトに入るまでの「歴史観の歴史」が面白い。曰く進歩史観、循環史観など。 私はこの本で初めて、ブルクハルトの言葉に触れたが、その孤高ぶり、曖昧さを認める気質、バランス感覚など、惹かれるものがある。 現代日本の描写では、いささか筆が滑っている。 しかし、おおむね今という時代をしっかり捉え、その処方箋としてブルクハルトの思想は力を持っていると思えた。 偏りのあるPHP新書にしては(?)、よくできた本だ。時代の変遷もあり、仕方ない部分もあるのかも知れないが、絶版なのは惜しまれる。
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啓蒙主義の進歩史観やマルクス主義の発展史観がもはや通用しないことが明らかになった現在において、「懐疑に耐える歴史観」を語ったブルクハルトの深い叡智に学ぶべきだという著者の主張が展開されています。 ブルクハルトの歴史の捉え方については、まだよく理解できないところがありますが、先行...
啓蒙主義の進歩史観やマルクス主義の発展史観がもはや通用しないことが明らかになった現在において、「懐疑に耐える歴史観」を語ったブルクハルトの深い叡智に学ぶべきだという著者の主張が展開されています。 ブルクハルトの歴史の捉え方については、まだよく理解できないところがありますが、先行きの見えない時代にあって、歴史の中に立っている自己を見いだし、「忍苦し、努力し、行動する人間」として生きていくことの難しさについては、それなりに理解できたように思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] ナチズムの出現、アメリカ流ビジネス文明の蔓延など二十世紀の問題を予見していた十九世紀の歴史家・ブルクハルト。 彼は歴史を人間精神の連続体として捉え、「歴史は人生の教師である」と考えていた。 進歩史観の限界に直面した現代にこそ、「未来は知りえないから未来である」という深い懐疑の精神に貫かれた歴史観が、危機の時代を乗りきる指針として価値をもつ。 時代の大転換期に臨んで、二十一世紀を生きぬく智慧を示す一冊。 [ 目次 ] 第1章 進歩史観に代わる歴史観をもとめて(近代進歩史観の行き詰まり 近代進歩史観にいたる道 循環史観の系列) 第2章 ブルクハルトの歴史観(ブルクハルトの同時代への姿勢 懐疑に耐える歴史観 ブルクハルトのルネサンス論) 第3章 「歴史の危機」とは何か(「歴史の危機」の類型学 歴史の三大ポテンツ 「歴史の危機」の賛美) 第4章 危機の時代を生きる智慧(日本を襲う「ほんものの危機」 二十一世紀と向き合う人生観 「歴史病」克服への二つの道 人生の教師としての歴史) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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